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Part113:196x年 東叡社総合カタログ

196x TOEI Part113は1960年代前半の東叡社の総合カタログです。タイトル・表題等に"196x"としているのは、現時点で正確な発行年が確定出来ていないためです。
 ただし、このカタログの表4(裏表紙)には所在地が"台東区豊住町9"とあり、1966年に首都高速1号線の建設工事にともなう立ち退きで荒川区町屋に移転していますので、少なくともそれ以前に発行されたものです。

 東叡社は1955(昭和30)年に、丸都自転車の工場長だった打保梅冶氏によって設立された、ハンドメイドによるスポーツ車のフレームと完成車製作を専門とした工房です。上野で設立されたのち、荒川区町屋、埼玉県浦和への移転を経て、現在は埼玉県川口に工房を構えています。

 1955年の創業から65年目となる現在もツーリング車を中心として、多くのサイクルツーリスト、自転車愛好家からの注文を受けています。数年前は納期が2〜3年となったこともありましたが、現在は3ヶ月〜6ヶ月に落ち着いているようです。

 東叡社と言うと、クラシックパーツで組んだ古いイメージのランドナーしか思い浮かばない人も多いようです。しかし、私自身もそうですが、現行パーツの機能や性能を生かしたツーリング車を作る方々も増えているようですし、丁寧な工作と精度、品質、趣味性を高水準でまとめあげるセンスは、やはり大したものだと思います。

 掲載されている車種の標準価格帯は、レディモデルの\28,000からスピードマスターの\75,000となっています。東京オリンピックが開催された1964年の大卒初任給を調べてみると約\19,000で、これは現在の約10分の1弱です。すなわち大卒初任給ベースで現在に換算すると、約29万円から79万円となりますね。使用している部品の品質や性能は比較になりませんが、現在の高級スポーツ車の価格帯と意外に近い感じもします。ただし、ハンドメイドの本格的なサイクリング用自転車とは言え、自転車にそこまでのお金を費やす愛好家人口は多くは無かったのではないでしょうか。

 以下、各ページ単位に掲載していますが、私のコメントは入れておりません。また、文字などはかなり小さくなってしまいますので、電子ブックも作成してあります。無料の電子ブックサービスを利用したため、本Webサイトとは関係ない広告も表示されてしまいますが、実際のカタログをめくるように見ることが出来ますし、拡大表示も可能ですので、合わせてご覧下さい。URLは以下の通りです。

https://www.adjustbook.com/doc/Index/show/us/6796/bk/14222

 なお、このカタログは当時の実物をスキャンしたもので、私のWebサイトをご覧いただいた方から、ご本人が若い頃に実際に入手した後、現在に至るまで保管されていた貴重なものです。スキャン後の画像の修正加工はあえてしておりません。紙の黄ばみや書き込みなど、若かりし頃に何度となく眺めてはオーダーに思いをはせたカタログを大切に保管されてきた事が偲ばれます。ということで、当時の雰囲気を味わっていただければ幸いです。

カタログのご紹介

196x TOEI


196x TOEI


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