追憶のカタログ展Part85:1964年 吉貝機械金属

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追憶のカタログ展

− Part85:1964 吉貝機械金属 −

 


Part85は1964年の吉貝機械金属です。このカタログは1963年にワインマンと技術提携した吉貝がワインマンのカタログをほとんどそのまま日本語に翻訳したもののようです。ブレーキ本体の各種寸法や部品番号がすべて記載されていて、とてもわかりやすい内容になっています。
なお吉貝機械金属は社名を「株式会社ヨシガイ」と変更して、数少なくなった国産部品メーカーの大手として存続しており、様々なブランド展開を図っています。

本カタログは神奈川のT・N様のご協力により掲載致しました。この場を借りて御礼申し上げます。


注.下記の画像は著作権保護対象と思われますが、本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとし、特に著作者には届出しておりません。
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※以下の各画像をクリックすると、横1024ピクセルの拡大画像が表示されます。

 

表紙。現在でもほとんど変わらない形状でシティサイクルなどに使われているサイドプルブレーキの各部の詳細寸法が記載されています。

 

DIA-WEINMANNと刻印されているサイドプルブレーキです。肩下寸法順に、NO.500、No.730、NO.810の3種類が用意されています。

当時の国産スポーツ車にも採用例が多く見られたと思います。

私の初めてのオーダー車である片倉シルクのロードレーサーには、このNO.500が装備されていました。もちろん、刻印は既にDIA-WEINMANNではありませんでしたが。

現在でもNo.730、NO.810の2つは、多少デザインは変わったものの、製品としてラインナップされています。

 

上2つはフラットレバーで3つ目はドロップレバーです。

NO.131は多くの亜流デザインの製品の原型とも言えるもので、サイドプルブレーキとともに製品としてラインナップされています。

NO.135はNO.131より高級なタイプで、ハンドルバーとの固定方式がドロップレバーと同様のものになっています。この製品もデザインをリニューアルして、最近復刻されました。

 

3つ目のドロップレバーはNO.162で、アジャスターとクイックリリース付きのタイプです。クイックリリースは後世のものと異なり、赤いボタンを押す込む仕組みです。

 

アジャスターとクイックリリースの無いNO.144と両方とも装備されたNO.162の部品構成図です。アルミ地肌のブラケットに赤いレバー軸の組み合わせは当時の定番でした。

このドロップレバーは後に様々な組み合わせの幅広い商品展開が図られて、私と同世代のサイクリストの皆さんの多くも使ったことがあるのではないでしょうか。それらについては、Part37:1986吉貝機械金属をご覧下さい。

 

 

サイドプルブレーキの部品構成図です。

NO.44.12は縦穴式ブリッジにブレーキ本体を取り付けるためのオプションです。

またNO.66はNO.64と交換することによって、ブレーキ本体をクイックリリ-ス対応するためのオプションです。

 

DIA-WEINMANNの優秀さをアピールしているページです。

当時の国産ブレーキの品質を語っている部分が「従来使用されているアオリ止め装置は不要です」と書いているところではないでしょうか。
「アオリ止め」という単語はご存じない方も多いかと思いますが、ブレーキを掛けることによって、剛性の低い本体アーチが進行方向に向かってあおられてしまうのを防ぐために、ブレーキシュー部分にとりつけられたパーツです。

フロントブレーキのアオリ止めはU字型に曲げられた鉄線をフロントフォークを挟むように固定し、リヤブレーキのアオリ止めはシートステー側に食い込むようなクサビ型のものです。これによって、ブレーキを掛けた時の本体のアオリを防止するようになっていました。写真がやや不鮮明ですが、こちらのページのサイクル誌1958年5月号の記事を見ていただければわかると思います。

 

通称「ブレーキツカミ」と呼ばれる工具です。この工具でブレーキを挟んでおくことによって、インナーワイヤーの固定が楽に出来るというもので、現在でも工具メーカーが同じ仕組みのものを発売していますね。

 

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