追憶のカタログ展Part54:1978 WOLBER

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追憶のカタログ展

− Part54:1978 WOLBER −

 Part54はフランスのタイヤメーカーであったウオルバー(WOLBER) の1978年版カタログです。
 当時は700CWO(今でいう700Cクリンチャー)のタイヤがようやく種類が増え始めた頃で、ロードレーサーはチューブラー全盛でした。このカタログに掲載されている製品もほとんどチューブラーです。
 当時のチューブラータイヤはイタリアのクレメンが最高級品で、綿コードのクリテリウムが1本9,000円前後、絹コードのクリテリウムセタになると1本12,000円前後で売られており、私などにはとても手が出せませんでした 。
 それに比べると、ウオルバーは3,000円〜4,000円で、そこそこ品質や性能が良くて、私自身はウオルバーを愛用していました。
 忘れてならないのは650×35Bのスーパーランドナーで、高級なランドナーの定番タイヤでした。当時のランドナー用タイヤとしては軽量で走行抵抗も少なく、使っていた人も多いのではないでしょうか。私も最初に作ったランドナーには当然のごとく採用しましたが、ダートの林道ツーリングにはさすがにつらくて、その後はあまり使う機会がありませんでした。

本カタログは東京のK・H様のご協力により掲載致しました。この場を借りて御礼申し上げます。

下記の画像は著作権保護対象と思われますが、本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとし、特に著作者には届出しておりません。


 


大変シンプルな表紙。

 


ウオルバーチューブラータイヤには4種類のタイプがあると書かれています。
  1. Round Shaped Vulcanised
     丸い形状で加硫成型されたタイプ 
     
  2. Flat Vulcanised
     フラット状で加硫成型されたタイプ
     
  3. Mixed
     加硫成型と手加工のミックス
     
  4. Hand-Made
     手加工

特徴はそれぞれの解説をお読み下さい。基本的にタイプ1と2は工場で大量生産されていたのだと思います。
個人的に面白いなと思ったのは、タイプ2がフラット形状なので輸送と保管がより簡単なため、輸出用として好まれているという部分です。

このページでは、左側がタイプ1、右側がタイプ2となっています。

私はこの中では、

 "INTERNATIONAL"
 "CLUB STRADA"

をよく使っていた記憶があります。

 


このページでは、4タイプ全ての製品が掲載されています。

私がこの中で使った事があるのは、

 "SPECIAL COURSE"

ぐらいです。

参考までに、当時のサイクルスポーツ誌増刊「オールカタログ78/79」上の価格を見ると、以下のようになっています。
 
"ROUTE RENFORCE" \3,500
"TOURIST RENFORCE" \3,600
"JUNIOR BUTYL" \3,500
"CLUB STRADA \3,600
"INTERNATIONAL" \3,400
"TEAM CORSA" \3,500
"CROSS" \4,500
"TRAINING CROSS" \3,800
"CROSS SUPER" \5,000
"SPECIAL COURSE" \3,400
"READER" \3,500
"NEO PRO" \6,000
"COMPETITION" \4,000

 


このページでは、リムセメントと世界初のチューブレスチューブラータイヤ"LIBERTY"、およびそのリペアキットが掲載されています。

このタイヤは、タイヤを縫ってある糸を切ってチューブを取り出して修理して、再度縫うという、チューブラーならではの手間が不要なものです。

 


このページでは、チューブラー以外のWOタイヤのラインナップが掲載されています。

"W20" は当時出始めた軽量ハイプレッシャータイヤの一つで、マビックやスーパーチャンピオンの幅20mm前後のWOパイプナローリムとの組み合わせが推奨されていた製品です。
現代のクリンチャータイヤのはしりのようなタイプで、日本でもほぼ同時期に、三ツ星トリムライン、井上ロードライト、ナショナルエキストラなどのタイヤや、アラヤ20A、ウカイ16Aなどが商品化されていました。

4番目の"SUPER RANDONNEUR" は非常に歴史の長いタイヤで、当時の高級ランドナーの定番タイヤと言っても過言ではないと思います。トレッドパターンを見てわかるように、舗装路向きのタイヤです。

 


このページは、世界の取り扱い拠点を示しています。

最後に、フランス語版のカタログから1ページ載せておきます。

当時のニューサイクリング誌の広告でもお馴染みのイラストで、記憶されている方も多いのではないでしょうか。


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