追憶のカタログ展Part77:1965年 藤田サドル工業

TOP > 追憶のカタログ展 > Part77:1965年 藤田サドル工業

追憶のカタログ展

− Part77:1965年 藤田サドル工業 −


 今回公開する藤田サドルのカタログは1965年頃のものです。表紙は英文ですが各製品の説明文は日本語で書かれています。
 プラスチックサドル、革サドル、スプリングサドル等の一通りの製品が網羅されていますが、特に革サドルは形態や刻印にブルックスの影響が強く感じられます。
 シームレスサドルはごく初期のものであり、側面のシルエットは、その後のものと違うものになっています。
 なお、メーカー問わず、プラスチックサドルの事をシームレスサドルと表記する例がありますが、シームレスサドルはおそらく藤田サドルの商品名かと思います。

本カタログは神奈川のT・N様のご協力により掲載致しました。この場を借りて御礼申し上げます。

 注.下記の画像は著作権保護対象と思われますが、本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとし、特に著作者には届出しておりません。著作権保持者や関係者の方は、何かございましたら、即刻削除等の処置を致しますのでご連絡下さい。


 

 

 表紙に書かれている英文を直訳すると、「60年にわたる先駆者としての経験が最高の品質を保証する」というような事になりますね。

 

 

 4種類のシームレスサドルが掲載されています。プラスチックトップの上にはカバーもクッションもなく、乗り心地は現在のアナトミックなサドルと比べるまでもありません。1964年の東京オリンピックで使用されたとあり、私も日本選手のために用意されたロードレーサーの実車を見る機会がありましたが、確か、上から2番目の製品だったと思います。

 その後、私がサイクリングを始めた1970年代前半頃には、薄いクッションを革で覆った製品が主流となって いて、当時はずいぶん乗りやすくなったなあと思っていました。
 私自身は、今でも2つ持っていて、一つはこのロードレーサーに使っています。

 それにしても、特徴の説明文がカタカナと漢字で書かれているところは、当時としてもやや古い気がします。

 

 

 こちらは革サドルのページで、製品名はブルックスに重なるものが多いですね。
 マスプロメーカーの中級スポーツ車には横に「BELT」と書かれている製品、高級車には「HIGHEST QUALITY」と書かれた製品が採用されている例が多かったと思います。

 

 

 こちらは トラックレーサー用の細身のものや、幅135ミリのナロータイプが紹介されています。

 

 

 このページで紹介されている製品は軽快車用のもので、分厚いトップとスプリングタイプのベースのものです。

 

 

 裏表紙には、通産大臣賞受領と書かれており、トップメーカーとしての誇りが感じられます。


藤田のサドルを使われていた方も多いかと思いますが、愛車のグレードアップを図る時には、プラサドルであれば、ユニカ(チネリ)やttt、革サドルであればブルックスやイデアルに交換するケースも多かったのではないでしょうか。当時マスプロ車に乗っていた自転車少年にとって、マファックのブレーキと並んで、ブルックスやイデアルのサドルは憧れのパーツだった気がします。


 

TOP > 追憶のカタログ展 > Part77:1965年 藤田サドル工業

inserted by FC2 system