追憶のカタログ展Part61:1994シマノ

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追憶のカタログ展

− Part61:1994シマノ −

 Part61は1994年のシマノシステムコンポーネントです。 このカタログの製品にはシマノの最新技術がフル導入されており、現在のシマノの製品の持つ機能がほぼラインナップされています。これ以降の製品は、その機能をより高い次元に引き上げるとともに、性能向上と軽量化を推進したきたようにも思え、本質的な部分はこの年あたりで一つの頂点に達したようにも感じます。 同じ年、サカエとともに既にモリ工業傘下にあったサンツアーはSRサンツアーと社名を変えていましたが、翌年台湾資本に売却されたのでした。
 そういう意味で、1994年前後はシマノにとってもサンツアーにとっても節目とも言える時代だったような気がします。

 このカタログは 縦21cm×横13.5cmの見開き46ページのもので、専門店で一般ユーザ向けに配布されたものです。以下の画像は2ページ毎に分けて掲載しました。

 注.下記の画像は著作権保護対象と思われますが、本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとし、特に著作者には届出しておりません。著作権保持者や関係者の方は、何かございましたら、即刻削除等の処置を致しますのでご連絡下さい。


※以下の各画像をクリックすると拡大画像(横1024ピクセル)が表示されます。

 


表紙と裏表紙です。

 


"UNLIMITED CHALLENGE"、すなわち限りなき挑戦というタイトルで、製品コンセプトとシマノの考え方を説明しています。

 


「アドバンスドライトアクション」はシフティング操作をスムーズにするための各種技術の総称です。

 


「オプティカル・ギヤ・ディスプレイ」はギヤポジョンのインジケータです。私がサイクリングを始めた1970年代初頭は、Wレバーの傾きで今何段目に入っているのがわかるのがベテランなどと言われていましたが、8速ともなるとなかなかそういうわけにもいきませんね(苦笑)

 


「ハイパードライブ-C」はチェーンホイールとスプロケットの歯数を小さくして、駆動系全体の軽量化と同時に変速性能や耐久性を向上させるというものです。
フロント42-32-22Tにリヤ11-28Tを組み合わせていますが、この考え方はサンツアーが1992年に既にMD(マイクロドライブ)というネーミングで発表済みでした。

 


研磨されたハブの玉押し、シールドメカ、カートリッジヘッドセット等による回転性能、防水・防塵性、耐蝕性の向上を図っています。

 


この口絵以降がオフロードコンポーネントの紹介となります。

 


ややこじつけめいたところもありますが、シマノのオフロードコンポーネントに実装された特徴について解説されています。

 


トップモデルのXTRです。
2007年現在の現行XTRに比べると、リヤ変速機などははるかにシンプルなデザインで、ロード用変速機と大差ないですね。
それでも、この当時のニューサイクリング誌などを読み返してみると、ツーリング車にはこれらのMTBパーツは似合わないとか、実際に使ってみた例などの記事がありましたね。

 


こちらもXTRです。
チェーンホイールも現在の目で見ると、細身でクリーンなデザインですが、当時は太く見えました(苦笑)
ちなみに2007年現在の現行XTRはこれです。
PCDは110-74mmですから、今のコンパクトドライブや、ロードトリプルのインナーと同じ寸法です。
また、カンティブレーキは今でも意外に人気があり、ネットオークションでも高値で落札される場合があります。

 


こちらはセカンドグレードのXTです。
ツーリングにもレーシングにも使える高級モデルとしての位置づけになっています。
このカンティブレーキもXTRと同様に、効きとデザインの良さで、今でも人気があるようです。

 


フロント変速機の内側プレートの成型は、ピンの打たれたチェーンホイールと組み合わせた"DUAL SIS"仕様ですが、現在のものと比べると単純な成形ですね。

 


XTの下のLXです。
LXは7SPEEDとなります。

 


STX Special Editionです。
ブロンズ調の仕上げが特徴です。

 


この口絵以降がロードコンポーネントの紹介となります。

 


ロードコンポーネントに実装された特徴について解説されています。
STI、8-SPEED SIS、DUAL SIS、SUPER SLR 等々、ギヤ段数以外は現在に継承されている技術です。

 


シマノのトップレンジであるデュラエースです。
チェーンリングには変速補助ピンが打たれ、クランクはロープロファイル化されています。
前後変速機もマイナーチェンジされて、8-SPEED SIS対応になっています。
ペダルはSPD仕様です。

 


セカンドグレードのアルテグラです。この頃はまだ600アルテグラですね。
 

 


105SCです。
現在の105と比べると、普及品のように見えてしまいます。
"SUPER SLR"と呼ばれる、いわゆるデュアルピボッドタイプのサイドプルブレーキは、まず105から発売されました。

 


次の2枚はオフロードコンポーネントのシリーズ紹介とスペック一覧です。

 

 


次の2枚はロードコンポーネントのシリーズ紹介とスペック一覧です。

 


「94年、シマノは、自転車をさらなる高次元へと進化させる」とあります。
それから既に13年経ち、特にオフロードコンポーネントの進化は急激で、規格も機能も激変しました。
次の10年はどうなることやら(笑)

 

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