HOME > 自己紹介 - 趣味・好み > プラスチックモデル > 製作記 - TA64セリカ サファリラリー仕様

はじめに

 このページはTA64セリカのサファリラリー仕様車の製作記です。このキットはマカオのプラモデルメーカーのBEEMAXから2015年に発売されたもので、日本国内ではアオシマが発売元となっています。

1.TA64セリカについて

セリカ GT-TS セリカは1970年12月に登場した日本初のスペシャルティカーで、初代セリカは、当時アメリカで大ヒットとなったフォード・マスタングの影響を多大に受けたと言われています。

 TA64セリカ("GT-TS")はセリカとしては3代目となるA60型の派生モデルで、当時のFIA(国際自動車連盟)が定めるグループBカーとして必要な台数の200台が1982年10月に限定発売されました。

 あくまでもラリーカーのベース仕様車であり、市販型1,770ccの3T-GTEU型をボアアップした1,791ccの4T-GTEU型エンジン、4リンクリジッドリヤサスペンション、FRP製フロントフェンダーなどを装備しています。

 TA64セリカは、すでにフルタイム4WDやミッドシップエンジンが主流となっていたグループBによるWRCに、フロントエンジン・リヤドライブ・リジッドリヤサスペンションという、ある意味旧式なスペックで挑んだクルマですが、頑丈なボディとハイパワーエンジン、シンブルなメカニズムで、アフリカの広大で荒れた原野を突っ走る高速耐久ラリーのサファリで3連覇、コートジボワールで3勝を挙げ、「アフリカの王者」と呼ばれました。武骨な外観もアフリカの荒れ地にはよく似合っている感じがします。

2.使用キット

Toyota TA64 Celica '85 SAFARI RALLY WINNER  使用キットはBEEMAXの"Toyota TA64 Celica '85 SAFARI RALLY WINNER"で、1985年にユハ・カンクネンがサファリラリーに初優勝したモデルを再現しています。

 BEEMAXのキットはほぼ100%レースカー、ラリーカーで、日本車が比較的多く、このTA64セリカもそうですが、今までどこからも発売されていなかった車種も製品化されています。

 従来はアオシマが日本国内での発売元でしたが、2020年の春になってから、BEEMAXとアオシマの提携関係が解消?されたようで、今後の新製品はNunuブランドで別の輸入元が取り扱うようです。



3.参考資料

RALLY CARS Vol.02  参考にしたのは、三栄が発行している"RALLY CARS Vol.02 - TOYOTA CELLICA TWINCAM TURBO"です。"RALLY CARS"は、国内外のラリーで活躍したラリーカーを1車種ずつ特集しているムックで、2020年4月現在、Vol.25まで発刊されています。
 当時のラリーシーンの写真、戦歴やクルマの成り立ち、関係者インタビューなどが一冊にまとめられていて、なかなか読み応えがあり、模型製作の良き参考書でもあります。











4.製作前チェック

改修箇所 このキットは一見したところ、実車の雰囲気が良く再現されていて、タミヤやハセガワのキットと比べても遜色ないものだと思いましたが、参考にしたムック本の写真などをもとに細かくチェックしてみますと、「う〜ん、どうしようか」と思う点がいくつもありました。粗探しするとキリがありませんが、以下の点については改修を加えようと思いました。

4-1.ヘッドライトグリルとヘッドレンズ

 実車は当時の規格寸法の角形のライトですが、キットのライトグリルは明らかに大きすぎて違和感があります。ここは加工が必要で、ライトレンズはジャンクパーツ箱から探すか透明プラバンから自作する必要があります。

4-2.ボンネットの熱気抜きルーバー

 形状は良いのですが、実車は最後端のルーバーのみ塞がれているので、薄いプラバンでフタすればよいかなと思います。

4-3.リヤバンパー形状

 上下方向に厚みがあって、なんとなくボッテリしているので、もう少しシャキッとした形状に削り込みます。また後端にはマフラーのテールパイプを通す丸穴が空いていますが、サファリ仕様はバンパー下にくるので、丸穴を塞いで、マフラーも加工することになります。

4-4.ブリスターフェンダー

 カドが立ち過ぎているように見えるので、少しカドを落としてなだらかな感じにしたいところです。

エンジンルーム なお、このキットは企画・設計当初はエンジンも再現する想定だったようで、ボンネットはボディとは別パーツですし、エンジンルームにはストラットタワーが再現されていて、補器類のパーツを取り付けるらしい穴もいくつか空けられています。

 手持ちの古いタミヤのグループCカーのトムス84Cには、同じ4T-GTEエンジンが再現されているので、このパーツをベースにラリー仕様に加工して搭載することも考えましたが、さすがに面倒なので、多分ボンネットは接着してしまうことになるでしょう。







5.ディテールアップ

アニマルバー 当時のサファリラリー出走車に欠かせないのがアニマルバーです。実車のアニマルバーの下端左右にはワイヤーロープを固定するリングが固定されていますが、キットは単なる盛り上がりにモールドされていたので、それを削り取り、小さめのゼムクリップから作成したU字型の断片を埋め込むことでリングを再現してみました。
 また、工作用電線の導線のみを取り出してネジったものを、今回追加工作した左右のリングに通し、ワイヤーロープを再現します。


スタック脱出用ワイヤーロープ 実車はリヤウインドウ下端にコドライバーがスタック脱出時に手で掴むワイヤーロープが5個のリングを通して取り付けられているので、それを再現してみました。
 まず、リヤウインドウ下端にリングの固定ボルト部分のみを接着。このボルトはガンダムキット等の改造用に販売されているボルトキットを流用しています。次に、外径1.6mm、内径1.15mmの真鍮パイプから幅0.5mmのリングを切り出して、0.8mm径のステンレスメッシュワイヤーを通して、ボルト接着間隔に合わせて瞬間接着剤で固定したものを作ります。画像では載せているだけですが、ボディ塗装とデカール貼りが終了したら、ボルト上に接着します。実車画像に比べるとかなりのオーバースケールですが、まあ雰囲気は再現出来るかと。

6.内装

内装  内装は特に改造工作はしていませんが、別売りのエッチングパーツのフットレスト等を追加し、デカール貼りと細部の塗装を施した程度で済ませました。











7.完成

 一通り工作が終わったところで、ホワイトサーフェイサー→ピュアホワイト→クリアーの順に吹きつけて、ペーパー掛けとコンパウンド掛けした後、デカールを貼りました。デカールは別売りの1986年ビヨルン・ワルデガルドの優勝車のものにして、オミットされているマルボロロゴも貼ってあります。その後、更に数回クリアーを吹きつけてから、ペーパー掛けとコンパウンド仕上げを施し、ランプ類やアニバルバーなどの外装パーツを取り付けて、一応完成としました。

完成

完成



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