HOME > 私の相棒たち >GIOS*torino Super Record
GIOS*torino Super Record - 2013/01 完成 ※画像は2021年1月現在

はじめに

Roger De Vlaeminck  このフレームは2012年の春頃にネットオークションに出品されているのに気付いて以来、ずっと気にしていたのですが、2012年12月末に年末特別価格になったことに背中を押されて購入したものです。

 GIOSは、1970年代にパリ・ルーベの4勝をはじめとしてクラシックレースで多くの勝利をあげたRoger De Vlaeminck(以下、ブラミンク) がチームブルックリンで乗っていたブランドです。DE ROSAやCOLNAGOとはまた違ったデザインと、ニューサイクリング誌などで『カマキリ走法』などと称されたクラウチングスタイルで走るブラミンクがとても格好良くて、当時の憧れのブランドでした。それでも、なにしろ高価でしたし、いわゆる『オールカンパ』のロードに自分のような単なるホビーサイクリストが乗るなどという事は何というか畏れ多い気もしていたものです。

 購入したフレームはリペイントされたものですが、とても美しく仕上がっており、一見新車のように見えるほどです。純然たる趣味の視点で見ると、ロードレーサーに限ってはこの頃のシルエットが好みで、細身のスチールチューブ、イタリアンカットラグ、放物線状に曲げられたフロントフォークで構成されるホリゾンタルフレームの美しさは、やはりいいなと思ってしまいます。

 本来ならば、当時のカンパニョーロレコードシリーズで組みあげるのが定石ですが、私の現在のサイクリングで乗ることを考えると体力不足となるのは明白です。そこで、パーツは基本的に現代のものを採用することにしました。

 

1.フレーム

 GIOSは現在も数多くの車種がラインナップされており、ほかのブランドと比較するとスチールフレームの車種も多めです。例えばコンパクトプロやビンテージヴェローチェなど、それなりに魅力のある車種もあるのですが、ある一点どうしても食指が伸びない部分があります。それはフロントフォークの曲げです。70〜80年代に輸入されていたイタリア車はどれも美しく放物線状に曲げられたフォークを持ちつつ、ブランド毎の個性が出ていました。

 現在の日本には多くのイタリアンブランドのレーサーが輸入されていますが、「えっ、これがあの○△□なの?」と思わせるようなブランドもあります。多くの場合、商標権のみ契約して台湾や中国などで作らせているのでしょうが、それらのフロントフォークの曲げや各部の工作、仕上げを見るにつけ、昔、そのブランドといかにも高性能なただすまいに憧れた身としてはいささか残念な気がしているのも事実です。
 ※もちろん、あらためて書くまでもなく、台湾製だから、中国製だからダメと言っているわけではありません。

 今回入手したこのフレームは "GIOS Torino Super Record" で、各部の工作やフォーククラウンの形状から、おそらく1987年前後の比較的後期のモデルです。購入したショップによって美しくリペイントされており、白の胴抜き塗装にマーキングも当時のまま再現されています。

  1. ヘッドラグ・フォーククラウン回り

    Head Lug & Fork Crown ラグはごくノーマルな形状のロングポイントイタリアンカットです。
    フォーククラウンはシンプルな形状で、上部にコイン型メダルを埋め込んだもので当時のGIOSの特徴の一つです。
     購入時に取り付けられていたメダルは、理由は不明ですが本来のものではありませんでした。ところが、購入後丸7年過ぎた2020年の12月、ネット検索していたら、オランダのクラシックパーツ専門のネットショップで販売されているのを見つけて、早速注文。12月末に手元に届いて、無事交換出来ました。
     ※ちなみに価格は商品 €34.95、送料 €27.00 でした。

     

     

  2. シートラグ回り

    Seat Lug & Seat Pin シートステー上部の形状も当時のGIOS独特のカットです。
    シートラグの耳をそのまま使ってシートピラーをカンパニョーロのシートピンで固定するのは当時の定番ですね。

     

     

     

     

     

  3. リヤエンド回り

    Rear End エンドはこれも当時の定番、カンパニョーロのショートタイプロードエンドです。
     メッキ加工された当たり面の上下には軽め穴が開けられています。
     当たり面の上下2ヶ所にネジ穴が開けられていますが、これはオプションのチェーンレストを取り付けるためのものです。








2.パーツ

 前述したように、本来ならば当時のカンパニョーロレコードシリーズで組むのが常道でしょうが、そうしてしまうと乗る機会が減ってしまうのが現実です。そこで、チェーンホイールがウルトラトルクにモデルチェンジする直前の2006年型のカンパニョーロケンタウル中心で組むことにしました。幸いほとんどのパーツはストックしていたものなので、追加費用も最小限で済みました。

  1. ホイール系

    Wheel ホイールは異なるギヤ比のスプロケットを組み込んだカンパニョーロコーラスの2006年モデルのハブ、マビックオープンプロのクリンチャーリムをDTのスポークで組み上げたものと、カンパニョーロデイトナ(ケンタウルの前身)のハブ、カンバニョーロモントリオール76のクリンチャーリムをDTのスポークで組み上げたものの2種類用意しており、走るコースの勾配によって使い分けています。
     昔のフレームですからエンド内幅はF100×R126ですが、わずかな修正でリヤ130mmの現行ハブは問題無く装着出来ました。
    タイヤは伝統的なスキンサイドのものが似合いますので、手持ちのTNIiコルサレコードの23Cを装着しました。カタログ重量200gを切る軽量なものです。
     
  2. 駆動系・変速系

     チェーンホイールは2006年モデルのカンパニョーロケンタウルCT、前後変速機も2006年モデルのケンタウル、チェーンはレコード10速用です。スプロケットは10枚の歯がバラバラになるタイプのケンタウルUDで、歯数は12-25Tと13-29Tを、走るフィールドによって使い分けます。
     2006年のカンパニョーロケンタウルCTはこの代のみの四角テーパー軸のBBとの組み合わせのもので、翌年からウルトラトルクにモデルチェンジされました。ケンタウル変速機は年によって、上位機種のコーラスと同等の場合と下位のヴェローチェと同等の場合がありますが、この代のケンタウルはほとんどコーラスと同じモデルで、一番お気に入りの仕様です。なお、ペダルはシマノのPD-A520です。

    Transmission
    shift lever
     変速レバーは完成当初はエルゴパワーでしたが、現在は2001年まで発売されていた9spのカンパニョーロレコードWレバー(SL99-RE09CG)です。スプロケットは10spですので、リヤ用レバー内の9sp用ラチェット部品(SL-RE219)を内部構造が共通なバーエンドコントロールレバー10sp用のもの(SL-RE319)に交換して10sp化してあります。

  3. ブレーキ系

    Brake ブレーキ本体は2007年からモデルチェンジされたケンタウルのスケルトンブレーキで、フロントがダブルピボット、リヤがシングルピボットです。ブレーキレバーは雰囲気とQR機構がカンパニョーロと似ているテクトロです。

     

     

     

     

     

     

  4. ハンドル系

    Handle 最近のハンドルバーはアナトミックタイプが主流ですが、この自転車にはやはりトラディショナルなラウンド形状のものが似合います。そこで手持ちのストックの中から、ハンドルバーは3tttのコンペツィオーネ、ステムはITMのエクリプスを選びました。バーテープは現行のGIOSの純正オプションです。
     コンピュータはシンプルな操作性とデザインが気に入って、長年使い続けているキャットアイのCC-CL200のメタリックブルーですが、私の保有自転車中6台はCC-CL200です。

     

     

  5. サドル系

    Saddle サドルはセラサンマルコリーガル、ではなく、雰囲気の似ているギザプロダクツのVL-1221です。型番からわかるように製造元は台湾のVELOです。サドルは値段にかかわらず自分の尻に合っているかどうかが重要ですが、このサドルはきわめて低価格ながら、裏がくりぬかれたサドルベースとパッドの具合がよく、見た目もそれほど悪くないので、当面このサドルにしておくつもりです。
     シートピラーは2001年モデルのカンパニョーロデイトナで、ピラー部分がスチールの製品です。

     

     

     

     

  6. その他アクセサリー

    Etc ボトルケージは当時物のコブラ軽合、ボトルも当時物のマリプラスト製のチームブルックリンカラーです。

     

     

     

     

     

     

3.スペック

 注.以下は2021年1月現在の仕様です。


フレーム 基本仕様 コロンブスSLフルセット、ロングポイントイタリアンカットラグ、GIOSオリジナルフォーククラウン、カンパニョーロショートロードエンド、カンパニョーロレコードスレッドタイプ(ITA)ヘッド小物、カンパニョーロWレバー台座、BB下回し変速ワイヤーリード、ボトル台座、フォーククラウン裏/ブリッジ補強板・・・など
寸法 フレームサイズ:585mm(C-T)、トップ:560mm、 リヤセンター:405mm、エンド内巾:F100-R130mm(126mmから修正)
塗装 GIOSブルー+ホワイト胴抜き(トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ)、フォーククラウン/バックステー/エンド当たり面メッキ

ホイールA ハブ カンパニョーロ コーラス 2006年モデル(32H)
スポーク DT チャンピオン
リム マビック オープンプロ(32H)
スプロケット カンパニョーロ ケンタウルUD(13-29T)

ホイールB ハブ カンパニョーロ デイトナ 2000年モデル(32H)
スポーク DT チャンピオン
リム カンパニョーロ モントリオール76(32H)
スプロケット カンパニョーロ ケンタウルUD(12-25T)

タイヤ TNi コルサレコード(700×23C)
チューブ ビットリア EVO55

駆動系 チェーンホイール カンパニョーロ ケンタウルCT 2006年モデル(50×34T、172.5mm)
ボトムブラケット カンパニョーロ ケンタウル 2006年モデル(軸長111mm ITA)
チェーン カンパニョーロ レコード 2006年モデル
ペダル シマノ PD-A520

変速機系 フロント変速機 カンパニョーロ ケンタウルCT 2006年モデル
リヤ変速機 カンパニョーロ ケンタウル 2006年モデル
シフト機構 カンパニョーロ レコード Wレバー 2000年モデル(10速用ラチェット組み込み)

ブレーキ系 ブレーキ本体 カンパニョーロ ケンタウル スケルトン 2007年モデル
ブレーキレバー テクトロ

ハンドル系 ハンドルバー 3ttt コンペツィオーネ(C-C 410mm)
ステム ITM エクリプス(110mm)
バーテープ構 GIOS オリジナルコルク(白、GIOSロゴ)

サドル系 サドル ギザプロダクツ VL-1221(ブラウン)
シートピラー カンパニョーロ デイトナ(27.2mm)2001年モデル

その他 ポンプ ゼファール hpX-3
ボトルケージ コブラ(軽合)
ボトル マリブラスト チームブルックリン
ベル BBB
コンピュータ キャットアイ CC-CL200(メタリックブルー)

inserted by FC2 system