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Part103:1974年 ブリヂストン ロードマン

1974年 ブリヂストン ロードマン Part103は1974年のブリヂストンロードマン専用カタログです。

 ロードマンは一般向けスポーツ車のニューモデルとして、この年の春に発売が開始されました。
 当時のブリヂストンの一般向けスポーツ車としては、シャインスター(ST-10)、スプリンター(SR-10)などが代表的なものですが、ロードマンは部品スペック的にはそれらとほぼ同等で、フレームも当時のブリヂストンが得意としていたダイカストフレームです。

 右の画像はニューサイクリング誌1974年7月号より転載したロードマンの広告ですが、「自転車は自分でつくる時代がきた」というキャッチコピーにあるように、ベーシックモデルを決めてから各種オプションパーツを組み付けるという販売形式を採用している点が当時としては目新しいものでした。
 また当時の一般向けスポーツ車の多くは、つや消しクロのフレームカラーが定番でしたが、ロードマンにはカラフルなフレームカラーが用意されていて、このクラスのスポーツ車として、今までにはない斬新な感じがしました。

 チョイス可能なパーツは、自由選択パーツ、バリエーションパーツ、ロードマン用品/アクセサリー、スペアパーツの4グループに分かれていました。

 最初に、R-1/R-2/R-3/R-4の4種のベーシックモデルのいずれかを選んだ上で、必要であれば、自由選択パーツの中からハンドルバー、ステム、ギヤカバー/チェーンケース、サドル等をあらかじめ交換して、基本形が決まります。
 次に、デイリー(日常)、ポタリング、ツーリング等の用途に応じて、バリエーションパーツや用品/アクセサリーの中から必要なものを選択して装着することにより、購入ユーザ一人ひとりのオリジナル車が完成します。
 機能自体を変更(、例えば、5スピードを10スピードに、タイヤを快走用に)する場合はスペアパーツを活用するようになっていました。

 このようにユーザーにとって自由度の高いパーツチョイスシステムは当時としては画期的でしたが、販売店の立場からは、在庫するパーツの多さ、組み付けの手間等の負担を強いられる面もあって、売れ筋パーツに絞っている店も多かったようです。
 ※私見ですが、このパーツチョイスシステムは、1970年に発表されたトヨタ自動車の初代セリカに範をとったものだと思います。

 ちなみにロードマン発売の数年後、当時学生だった私がアルバイトしていた自転車店では、前後キャリア、ブロックダイナモ、セーフティレバー、リヤキャリア横に取り付ける折りたたみ式通学カバンカゴあたりが、後付パーツの定番でした。

 ロードマンは日常用あるいは通学車として当時の中高生の男子の人気を呼び、ヒット商品となったことで、その後、他のマスプロメーカーからも同様のコンセプトのスポーツ車が発売されるようになり、ロードマンはいわゆる「ヨン・キュ・パッ」(ベース車両価格\49,800)の入門用スポーツ車が一般的になるきっかけを作った自転車だと思います。

カタログのご紹介

 以下、表紙を含めて7ページのカタログ画像です。各ページの文面には、「自転車は自分でつくる時代がきた」というコンセプトのセールスポイントをなるべく具体的に伝えたいという意思がこめられているように思います。

以下の各画像上でマウスクリックすることにより、別ウインドウに横1920×縦1955の拡大画像が表示されます。

表紙です。「自転車は自分でつくる時代がきた」


ベース車は4種類。R-1は26インチホイール、それ以外のR-2/R-3/R-4は27インチホイールです。


基本スペックと自由選択パーツの紹介です。


ツーリング用に仕立てるための推奨バリエーションについての解説です。


ファーストライディング用に仕立てるための推奨バリエーションについての解説と自由選択パーツの一覧表です。


デイリー用に仕立てるための推奨バリエーションについての解説です。


ポタリング用に仕立てるための推奨バリエーションについての解説です。



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