追憶のカタログ展Part89:1981年 三信松本製作所

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追憶のカタログ展

− Part89:1981年 三信松本製作所 −


今回ご紹介するのは1981年の三信松本製作所の英文カタログです。三信松本製作所は基本的にスポーツ車のハブの専業メーカーと言ってよいと思います。私と同世代のサイクリストであれば、大多数の皆様がご存知のメーカーです。マスプロメーカーの多くのスポーツ車に装備されていましたし、プロエームやプロフェッショナルなどの高級品はオーダー車にも装備した例が多いと思います。また、1979年に発表されたサンツアーシュパーブシリーズのハブも三信松本が供給していました。プロエームやプロフェッショナルは玉当たりも滑らかで、精度も仕上げも良い製品でした。
私自身もこのカタログで紹介されているジャイロマスター、プロエームを実際に使っていました。

本カタログは茨城のK・S様のご協力により掲載致しました。この場を借りて御礼申し上げます。

注.下記の画像は本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとして掲載しております。


各画像をクリックすることにより、別ウィンドウに横1280ピクセルの拡大画像が表示されます。

SunShine Catalog Cover-1

 

 

表1(表紙)です。濃い青一色のシンプルなデザインで、"SunShine"のロゴデザインもなじみ深いものです。

Professional Road Model

 

 

当時の最高級品であるプロフェッショナルのロードハブです。ラージフランジ、スモールフランジに加えて、当時流行始めていたシールドベアリングの3種類がラインナップされています。

スポーク穴数は28H、32H、36Hの3種類、オーバーロックナット寸法はフロントが100mm、リヤが120mmと126mmの2種類と、当時の定番仕様です。

バフ掛けされた冷間鍛造のハブ本体、強制研磨された玉押し、CrMo鋼のスピンドル(ハブ軸)など、最高級製品にふさわしい仕様です。

シールドベアリング仕様はスモールフランジだけとなっています。シールドベアリングといっても、玉押しはカップ&コーンで、ラジアルボールベアリングが組み込まれた仕様となっています。

Professional Track Model

 

 

プロフェッショナルのトラックハブです。ラージフランジ、スモールフランジの2種類です。

スポーク穴数は28H、32H、36Hの3種類、オーバーロックナット寸法はフロントが100mm、リヤが110mmと120mmの2種類です。

材質、仕上げ、玉押しの強制研磨などはロードハブと同様です。

PRO-AM & GYROMASTER

 

 

プロエームとジャイロマスターです。

プロエームはプロフェッショナルより先に発売された製品で、綺麗なアルマイト加工にラージフランジハブの軽め穴が5個という点が外観上の特徴です。

玉押しは研磨されていますが、プロフェッショナルよりはワンランク下の加工のようです。

ジャイロマスターは中級クラスの製品で、当時のシマノ600と同等でしょうか。

スポーク穴数は36Hのみですが、フロントハブにはオーバーロックナット寸法96mmのものもラインナップされています。

REGULAR

 

 

こちらは普及品クラスで、ハブ本体は冷間鍛造ですが、表面仕上げが落とされていたり、玉押しも研磨仕上げされていません。

また、QR以外にナット止めの製品も用意されており、セミラージフランジとスモールフランジについては、F93mm×R124mmとなっています。

Monoblock-Casted & Steel

 

 

こちらも普及品で、上2つは軽合ですが鍛造ではありません。下2つはスチールハブです。スチールのスモールタイプのリヤハブはフリーホイール側のスポーク穴が引っ掛け式になっています。

BMX & SPECIFICATION

 

 

BMX用ハブと、中級品以上のハブの仕様を一覧表にまとめたスペック表です。

BMX用ハブはハードな使用に対応して、リヤのハブシャフトの材質が高炭素鋼となっています。またオーダーにより、赤、金、黒、青の着色仕上げも可能となっています。

SunShine Catalog Cover-4

 

 

表4(裏表紙)です。

本社は東京の千代田区有楽町にあった三信ビルディング内にありました。

工場は長野県松本市にあり、社名の由来にもなっているのかもしれません。

ちなみに本社が入っていた三信ビルディングは、1929年竣工当時の姿を残すオフィスビルの一つでしたが、老朽化を理由に2007年に解体されています。

 


今や、国内の自転車部品専業メーカー、特にスポーツ車向け製品を製造していたメーカーの多くが廃業していますが、この当時はまだ "Made in Japan"の高品質の部品が世界中に輸出されていました。日本の自転車産業の現状からは想像も出来ませんね。


 

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