追憶のカタログ展Part86:1964年 ワンダーフォーゲル号(城東)

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追憶のカタログ展

− Part86:1964 ワンダーフォーゲル号(城東) −


Part86はワンダーフォーゲル号の1964年のカタログです。 ワンダーフォーゲル号は、大阪の城東輪業社が発売していたスポーツ車のブランドで、本格的なロードレーサーからレディスポーツまで展開していました。
最高級ロードレーサーの"TOUR of JAPAN"は、記憶に間違いが無ければ、モデルチェンジを繰り返しながら90年代前半くらいまで存続していたと思います。
 

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注.下記の画像は本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとして掲載しております。


表紙です。このヘッドマークが懐かしいという方はかなりのベテランですね。

"TOUR of JAPAN"はワンダーフォーゲルシリーズの最高級ロードレーサーです。Cr.Moチューブのフレームに、カンパニョーロ、TA、ノルマンディ、GB、ワインマンなどの外国部品が組み付けられており、価格は当時の大卒初任給の2倍強ですから、現在なら約45万円というところでしょうか。

ワンダーフォーゲルの特長と"スポーツマンデラックス"が紹介されています。「アカ抜けがしている」というキャッチコピーが時代を語っていますね。
"スポーツマンデラックス"は26×1・1/4ホイールにカンザシ(松葉)ステーのガード、キャリヤ無しという、いわゆるクラブモデルです。

"モスキートセブン"と"モスキート"はHT(ハイテンション)鋼フレームの中級クラスの車種です。いずれも10スピードで、変速機はカンパニョーロのスポーツマンが装備されています。いずれもチェーンホイールはクロスレシオですが、当時としては標準的な歯数だったと思います。

こちらは キャンピング車の"エスカルゴ"と小旅行車の"ランドナーU"です。外国部品を豊富に装備しており、当時としてはかなり高級な自転車だったのでしょう。

こちらは 国産部品中心にアッセンブルされた"ランドナーT"、"ランドナージュニア"で、フレームはおそらく普通鋼管でしょうか。それでも価格的には当時の大卒初任給以上ですから、購入出来た青年や少年人は限られていたのではないかと推察します。

これらはいわゆるプロムナードに相当する車種だと思います。"ゴールド"は中年〜老年サイクリスト向けとありますが、現代では"老年"という単語は使わないでしょうね。"スポーツマンスタンダード"は3スピードが標準で500円のエクストラチャージで4スピードになると説明されています。サドルもテリー型で、当時のマスプロメーカーにも似たような車種がラインナップされていますが、それらよりやや高級な軽快車という位置付けのようです。

"ツーリスト"はワンダーフォーゲル号の中では最も低価格の車種で、いずれもフロントシングル・3スピードです。レディー用はフレームサイズが18"、すなわち約460mmで、小学5〜6年のお子様にも乗りこなせると説明されていますが、この価格では、一般の家庭では買い与えられなかったように思います。


スポーツ車に限りませんが、当時のカタログを見ると、自転車はまだまだ高価だったという事がわかります。私が子供の頃もそうですが、自転車はとても大切なもので、年に1回くらいは自転車店で点検して、長い間使った記憶があります。今や街角には、ホームセンターやスーパーで1万円以下で買えるシティサイクルであふれていて、そういう自転車は使い捨てされる事も多く、いくら時代が変わったとはいえ、これでいいのかといつも思います。


 

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