追憶のカタログ展Part75:1981ブリヂストン ロードマン

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追憶のカタログ展

− Part75:1981ブリヂストン ロードマン −



初代ロードマンの広告<ニューサイクリング1974年7月号より転載>
 

 ロードマンの登場は1974年の春です。当時のブリヂストンの一般向けのドロップハンドルスポーツ車としては、シャインスター(ST-10)、スプリンター(SR-10)が代表的なものです。ロードマンはクラス的にはそれらとほぼ同等で、フレームも当時のBSが得意としていたダイカストフレームですが、ベーシックモデルに各種オプションパーツを組み付けるという販売形式を採用している点が当時としては目新しい試みでした。またフレームカラーも、このクラスのスポーツがつや消しクロが定番だった当時としてはカラフルなもので、斬新な感じがしました。

 選べるパーツは単なるアクセサリーにとどまらず、ハンドルやサドル、キャリア類からチェーンホイール等に及び、かなり自由度が高いチョイスが可能となっていました。反面、販売店の立場からは、在庫するパーツの多さ、組み付けの手間等の負担を強いられる面もあって、売れ筋パーツに絞っている店も多かったようです。

 それでも発売当初は、フレームサイズ485mmの低床27インチ10段モデルのR-3を中心に、日常用あるいは通学車として当時の中高生の男子の人気を呼び、一部は夏休みの自転車旅行(あえてサイクリングとは言いません)の相棒としても使われました。

 ちなみにロードマン発売数年後、当時私がアルバイトしていた自転車店では、前後キャリア、ブロックダイナモ、セーフティレバー、リヤキャリア横に取り付ける折りたたみ式通学カバンカゴあたりが、後付パーツの定番でした

 

左はニューサイクリング1974年7月号より転載した初代ロードマンの広告
※画像クリックで拡大
 
 


 さて、今回公開するカタログは1981年のもので、発売当初のモデルよりも、より本格的スポーツ車の方向にシフトされています。当時のモノックス、ユーラシアの弟分という位置づけで、フレームサイズも470mmから585mmの7種類が用意されています。フレームもダイカストではなくなり、初級サイクリング車として充分なスペックとなっています。

 ロードマンは入門スポーツ車として、息の長いモデルとなり、当時の中高生だった方には懐かしい思い出も多い自転車ではないでしょうか。

本カタログはY・U様のご協力により掲載致しました。この場を借りて御礼申し上げます。

 注.下記の画像は著作権保護対象と思われますが、本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとし、特に著作者には届出しておりません。著作権保持者や関係者の方は、何かございましたら、即刻削除等の処置を致しますのでご連絡下さい。



 


 表紙です。

 モデルの名前はわかりませんが、当時の週刊コミック誌の裏表紙に掲載されても、あまり違和感はありませんね。

 表紙の車種はRM-702で、フレームサイズ520mm、タイヤサイズ27×1・3/8、12段変速となります。
 直付けされたリヤブレーキアウタートンネル、サカエ製のエアロタイプのステムに直付けスプリングベル、エアロタイプクランク、溝付きシートピラーなど、当時の本格的スポーツ車のイメージをうまく取り入れていますね。

 なお、本カタログは折りたたまれた状態でA4、拡げるとA2サイズとなっています。

フレームの説明です。前三角はCrMoプレーン管で、16mmシートステー、オーバルチェーンステー、ストレートエンド、刀剣曲げのフロントフォークと、なかなか本格的な造りをしています。トップチューブのアウタートンネルやBBのカンパ型ワイヤーリードなども直付けされており、仕上げはともかくとして、このクラスとしてはしっかりした工作が施されています。

メカニズム上のセールスポイントの説明です。溝付きシートピラー、エアロタイプのステムとチェーンホイール、BSオリジナルのSCブレーキ、ニュートリアルタイヤ、シマノセンタロンメカなどが詳しく解説されています。

カタログを開くと、A2サイズ全面にロードマン全車種と兄貴分のモノックスが紹介されています。
ロードマンは、26×1・3/8ホイール仕様がフレームサイズ2種類、27×1・3/8ホイール仕様がフレームサイズ5種類で、いずれもフロント2段、リヤ6段の12段シフトとなっています。

  • RM-601 フレームサイズ:470mm、重量:13.7kg、フレームカラー:3色

  • RM-602 フレームサイズ:500mm、重量:13.7kg、フレームカラー:3色

  • RM-701 フレームサイズ:480mm、重量:13.8kg、フレームカラー:3色

  • RM-702 フレームサイズ:520mm、重量:13.9kg、フレームカラー:4色

  • RM-703 フレームサイズ:540mm、重量:14.0kg、フレームカラー:5色

  • RM-704 フレームサイズ:560mm、重量:14.1kg、フレームカラー:4色

  • RM-705 フレームサイズ:585mm、重量:14.2kg、フレームカラー:2色

以下は拡大画像です。

 

 

 

 

裏表紙はシステムパーツの一覧です。日常用からサイクリング用パーツのほか、カラーコーディネートパーツまでラインナップされています。

 

以下は参考のために当時の価格を拡大した画像です。

 


ロードマンが最終的にいつまで販売されていたかは、残念ながら資料がありませんが、一般向けスポーツ車として息が長いモデルであったことは確かです。中高生にとって、ドロップハンドルが憧れの自転車であった時代はもはや過去の事となり、現在はいわゆる「ママチャリ」が通学車の定番となっています。
私の感覚では、BSが「カマキリ」シリーズを発表した頃から、じょじょにドロップハンドル離れが始まったような気がしています。
 

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