追憶のカタログ展Part73:1960年代三光舎

  追憶のカタログ展先頭ページに戻ります

追憶のカタログ展

− Part73:1960年代 三光舎 −

 Part73は1960年 代前半と思われる三光舎を取り上げます。三光舎はスポーツ車用のパーツを開発販売したメーカーの草分けの一つです。沿革など詳しい事は残念ながら私も存知上げませんが、50年代から60年代前半の国産トップメーカーの一つだったと思います。

 以下に、三光舎の製品カタログ、説明書を順不同で掲載しますが、どこかで見たようなデザイン、構造の製品も多く、当時の国産パーツメーカーが、まずはヨーロッパ製品のコピーから始まったというのがよくわかります。

本カタログは神奈川のT・N様のご協力により掲載致しました。この場を借りて御礼申し上げます。

 注.下記の画像は本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとして掲載しております。


 

 

ここから3枚は、2つ折りになっている総合カタログです。
表紙はパンタグラフ式リヤ変速機の"PA"です。

JISマークとともに、

  • 『日本サイクリング協会推薦』

  • 『オリンピック出場車使用部品』

と、誇らしげに書かれています。

品目としては、変速機・フリーホイール・ハブの3種類となっています。

 

 

表紙を開くと、変速機とフリーホイールが見開きで掲載されています。リヤ変速機が3種類、フロント変速機が2種類、シフトレバー、そして4種類のフリーホイールです。

"F2"はいわゆる『竹の子』タイプで、ハブシャフトに固定するタイプです。(別ウインドウの拡大図参照)

ロッド式のフロント変速機は変速迅速でロードレースに最適とあります。機構的には極めて簡単なものです。

"PA"は前後変速機とシフトレバーのセットになっており、リヤ変速機のパンタグラフ回りやスプリングの使い方などの構造(別ウインドウの拡大図参照)は当時のカンパニョーログランスポーツに酷似しています。フロント変速機はスライド式です。

"PF"は普及型で、こちらは構造、デザインともに当時のユーレズベルトのコピーと言ってもよいでしょう。

フリーホイールはフラッシュタイプの3/4/5段、ボスタイプの5段の4種類ですが、もはやフラッシュタイプと言ってもわからない方が大多数ではないでしょうか。

 

 

スチール製ハブが2種類、軽合(ジュラルミン)ハブが2種類掲載されています。

真ん中のクイックレリーズハブは、クイックシャフトがやはりカンパに酷似しています。

"PF"後変速機の取扱説明書です。右側が表紙で2つ折りになっています。
 

"PF"後変速機の取付方法が丁寧に書かれています。古くからサイクリングを楽しまれている方はわかると思いますが、図を見ると、まさにユーレ・ズベルトですね。

"PA"後変速機の取扱説明書です。右側が表紙で2つ折りになっていますが、こちらは全6ページ構成となっています。

"PA"後変速機の特徴と概要です。特徴の3つ目と4つ目がなかなか興味深いものに感じました。この図を見ると、デザインは別にして、構造がカンパニョーログランスポーツに酷似しているのがおわかりになると思います。

"PA"後変速機の取付方法が、"PF"同様、丁寧に書かれています。
 

こちらは"F1"型の分解図です。"F1"型は普及品で、"F2"と同様にハブシャフトに固定するようになっています。ちなみに私もこのセットを持っていましたが、フリーマーケットで手放しました。

こちらはスライド式の前変速機の分解図ですが、ワイヤーでカムを動かすようになっていました。
 

この2枚は『竹の子』タイプの変速機の使用説明書です。とても丁寧に詳しく述べられています。
 


さて、今から50年近く前の国産パーツの一例として紹介いたしましたが、いかがだったでしょうか。実際にお使いになっていた方は相当のベテランサイクリストであり、大先輩ですが、当時の道路事情の中で、いろいろ苦労もされたのではないでしょうか。ですが、そういう大先輩やメーカーの努力によって、現代の使いやすく高性能なパーツが出来上がってきたのではないかと思います。

 

  追憶のカタログ展先頭ページに戻ります

inserted by FC2 system