追憶のカタログ展Part49:1979ブリヂストン ユーラシア

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追憶のカタログ展

− Part49:1979ブリヂストンユーラシア −

 ユーラシアの登場は1976年で、当時のブリヂストンの高級スポーツ車「ダイヤモンドシリーズ」の一つ下のモデルとして発売されました。フレーム前3角はCr.Mo(クロモリ鋼)、フロントホークはH.T(ハイテンション鋼)となっています。前後キャリア、バッテリーランプ、バッグ、ボトル、ブレーキレバーパッド、トークリップ/ストラップなど多くのオプションパーツが用意されており、システムスポーツと銘打って販売されました。その後、毎年のように細かなモデルチェンジや車種追加が行われ、サイクリングに興味を持った若い人達のスポーツ車として、そのほかのマスプロメーカーの同クラス車とともに一時代を築きました。当時サイクリングに出掛けると、各地の街道やユースホステルなどで多くのユーラシアに出会ったものでした。

 Part49は1979年モデルです。 私事ですが、1970年代後半〜1980年代初頭、学生だった私は都内の自転車店でアルバイトをしていました。一般車メインの町の自転車店でしたが、それでも春や夏の長期休みの前には、毎回何人かの高校生や大学生がユーラシアを買いに来て、長期ツーリングに出掛けて行きました。私もそういう彼らのために一生懸命ユーラシアを組んで、オプションパーツのキャリアやバッグを勧めながら、コースプランについて話したり、時には一緒に日帰りツーリングなども楽しみました。ツーリングから帰った彼らが、日焼けして真っ黒になった顔で店に立ち寄ってくれると、とても嬉しかったとともに、自分が組んだユーラシアがトラブルを起こさなかったか彼らに尋ねたりしたのを覚えています。

  なお、このカタログは折りたたまれているものですが、以下の画像は各ページ毎に分けて掲載しました。

本カタログは神奈川のI・K様のご協力により掲載致しました。この場を借りて御礼申し上げます。

 注.下記の画像は著作権保護対象と思われますが、本ホームページではあくまで趣味の範囲での使用に限定するものとし、特に著作者には届出しておりません。著作権保持者や関係者の方は、何かございましたら、即刻削除等の処置を致しますのでご連絡下さい。

ユーラシアについては、以下の各ページに掲載しています。

Part71:1976Part57:1977Part74:1978、Part49:1979(このページ)、Part39:1982


※以下の各画像をクリックすると拡大画像(横1280ピクセル)が表示されます。


1979BSユーラシア表紙

 


表紙です。
とてもシンプルですが、地球の中の広大なユーラシア大陸の未知なる地にサイクリストをいざなう、そんなメッセージなのでしょうか。
1979BSユーラシアラインナップ1

 

最初の2ページで、この年のモデル7車種について、それぞれの特徴を説明しています。BSオリジナル鍛造エンドは、その後のアトランティスなどにも使われたものです。
1979BSユーラシアラインナップ2

 

続きです。
フレームスケルトンは当時のスタンダードなものになっています。
ツーリングの説明の中に、輪行用ドロヨケの写真がありますが、BSの場合は確か分割式ではありませんでした。シートステーブリッジのガード隠し止めネジに菱形の金具が取り付けられており、その金具からアーレンキボルトを差し込んで、ガード裏のナットにネジ込むようになっていました。
これは分割式にすることによる強度低下を防ぐこと、外観をスッキリと見せることを狙ったものと推察出来ますが、金具を菱形にしたところに、当時の設計者のこだわりが感じられます。

これもまた推察ですが、おそらくルネエルスのリヤガード補強板のイメージがあったのでは思われます。
1979BSユーラシアツーリング・グランツーリング

 

スタンダードなツーリング、パーツをグレードアップしたグランツーリングです。
フレームも、グランツーリングは鍛造エンドや小型シートピン台座などにグレードアップされています。
ギヤ比はフロント48×34、リヤ15〜24で、特にロー側は現代のコンパクトクランクロードと大差ありませんね。

シートピンに取り付けられているリヤブレーキワイヤーのアウター受けは「ルネルスタイプ」という振り子タイプのものです。もちろん本家ほどスマートではありませんが、輪行を考えた割りが入っていて、使いやすいものでした。私もアルバイト先の自転車店でBSから補修パーツとして購入し、当時乗っていたランドナーに使っていました。

ヘッドランプは取付台座がプラスチックのカバーで覆われており、やはりスッキリとした外観でした。

1979BSユーラシアスポルティーフ・グランスポルティーフ

 

こちらはスポルティーフとグランスポルティーフです。
この年のモデルは1982年のモデルと異なり、センタープルブレーキはまだ直付ではありません。
ギヤ比は当時のスポルティーフらしく、フロント50×42、リヤ15〜24で、特にロー側は現代と比べるとハイギヤードです。

リヤガードに取り付けられたリフレクターはBSが小判型と言っていたものですが、これも当時のフランス製のウロのものと形状が良く似ています。

1979BSユーラシアファーストライディング・グランロードレーサー

 

ファーストライディングは、現代のクリンチャー装備のロードバイクに近い位置づけですが、タイヤは28Cとやや太めです。
グランロードレーサーは、当時のロードレーサーの文法にのっとり、チューブラーを装備しています。
ギヤ比はファーストライディングがフロント52×42、リヤ15〜24、グランロードレーサーがフロント52×42、リヤ13〜21(6速)です。
なお、ロードレーサーには当時発売されたばかりのシマノ600EXカセットハブ、チェーンホイール、変速機が採用されています。2007年現在、カセットフリーが登場して、もう26年も経ったという事になりますね。
1979BSユーラシアレディ

 

レディは、当時の女性用スポーツ車らしくミキストフレーム、非力な女性のためのセンタープルブレーキ、オールランダーハンドルバー、ゴーチェサドルなどが装備されています。ギヤ比はフロント48、リヤ15〜24です。
1979BSユーラシアシステムパーツ

 

システムパーツの一覧です。
強度はやや不足気味ながらも、サイドキャリヤやパニア台が用意されていますし、単1×3本の探見灯、各種バッグ類などが豊富に揃っていて、ツーリング車として必要なものはほぼメーカーオプションで揃いました。
特にバッグ類は、帆布製に加えて、伝統的な形状でありながらも軽量なナイロン製のものも用意されており、当時のブリヂストンの企画開発力を感じさせます。
1979BSユーラシアスペック一覧表
 
最後はスペック一覧です。
拡大画像をご覧いただければ、当時のマスプロメーカー製中級スポーツ車のパーツ構成がわかると思います。

文中でも何点か触れましたが、ユーラシアに使われている小物パーツには当時のルネエルスや国産の高級オーダメイド車の影響が強く感じられます。設計者自身が熱心なサイクリストであった事が伺われます。
ちなみにユーラシアでサイクリングに目覚めて、その後もサイクリングを続けている方も多いようです。また、最近になって当時のユーラシアをレストアして、再び乗るようになった方もいるようです。いろいろと思い出のある方も多いのではないでしょうか。
 

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