追憶のカタログ展Part47:1982シマノ
− Part47:1982 シマノ −
Part47は1982年のシマノです。 このカタログではエアロダイナミクスを追求したAXシリーズが前面に押し出されています。
AXは前年81年春から発売され、発表当初は世界的な反響を巻き起こしました。巨大な風洞、シルバーのワンピースエアロウェアとヘルメットに身を包んだライダーの写真を記憶されている人も多いと思います。
しかしAXシリーズは壮大なる失敗作でした。強度不足で破損が相次いだDDペダル、作動が不確実で整備性の悪いブレーキ、効果の実感出来ないエアロ効果等々、AXシリーズは散々な評価を浴び、商品寿命わずか2年程度で市場から撤退したのでした。
シマノはその後、開発体制や方針を一新し、新製品105、600EXのモデルチェンジを経て、7400番台のデュラエースの成功に向かってつき進んでいきました。その後のシマノの隆盛については皆さんもよくご存知でしょう。しかし、AXシリーズの壮大なる失敗が、ある意味で今のシマノを作ったとも言えるのではないでしょうか。
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表紙です。
上部にはエアロをモチーフとしたデザインがされています。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
目次です。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
システムコンポーネントに対するシマノの理念を説明しています。
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いま時代はエアロ・・・・当時としてはインパクトのあるコピーでした。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
社内に設置した巨大な風洞には50億円もの投資がされたそうです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
自転車に関する空気力学理論と実験結果を詳細に説明しています。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
駆動系に関する説明です。Wカットメカニズム、オフセットクランクアーム、DDペダル、スーパーシフトギヤ等、駆動効率・変速効率を向上させる仕組みです。Wカットやスーパーシフトギヤは、その後HGメカニズムに発展していくわけですね。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
ユニバランスメカニズム、カセットタイプフリーハブは、今ではごく普通の仕組みですが、ハブ体にボスタイプフリーホイールをねじ込むのが当たり前だった当時は、互換性を無視していると言われたものでした。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
ニューポジティブメカニズムは、AXに採用された変速位置決めシステムで、現在のSTIが変速レバー側で位置決めしているのに対して、リヤ変速機側に位置決めシステムを持っていました。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
こちらもAXに採用されたシステムで、制動システムの効率化とエアロダイナミック効果の両立を狙ったものでした。私も当時このブレーキを装備した自転車を組む機会がありましたが、なにしろ調整が面倒だった記憶があります。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
ブレーキワイヤーをハンドルバーに沿わせてバーテープに巻き込むブレーキレバーも、今は当たり前ですが、当時は整備性が悪いと言われたこともありました。また構造の違いから、アウター出しのブレーキレバーとはレバー操作のフィーリングが異なり、当初は違和感を感じたものですが、操作効率はこちらのほうが確かにいいと思います。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
こちらはAX以外の各種メカニズムの特徴について説明しています。
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前ページの続きです。トリプルギヤはDEOREシリーズのものですが、今に至るまでMTBコンポーネントの名前として存続しています。
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DURA-ACE 10 は、チェーンピッチを通常の12.7mmから10mmに詰めて、全体的な小型軽量化と剛性強化を狙った製品です。試作段階ではロード用もあったようですが、市販化されたのは、このトラック用のみでした。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
こちらは通常のチェーンピッチのトラックモデルです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
DURA-ACE AX です。
リヤディレイラーはエアロ効果を狙った縦型となり、変速位置決め機構のニューポジティブメカニズム、アウター受け不要のダイレクトワイヤーリード、シールドメカニズムなどを装備しています。フロントディレイラーもエアロシェイプ、横型パラレロアームとなっています。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
Wレバーは通常マウントに加えて、トップマウント用台座も用意されています。
ハブはスーパーシフトギヤのカセットスプロケットに、エアロ効果を狙った樹脂製カバーを装備しています。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
オフセットアームが特徴的なチェーンホイールと、ダイナドライブのペダルです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
国産初のエアロタイプブレーキレバー、センタープルとは言わずにパラプルブレーキと言われたエアロタイプブレーキ、1本ボルト止めシートピラー、つるんとした造形のステムです。そう言えば、数年前のツールで、アームストロングのTT用トレックに、このブレーキが装備されていたことがありました。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
ここからは、600AXの紹介です。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
ハブ、カセットスプロケット、チェーンホイール、ペダル※拡大画像はこちらをクリックしてください。
そして、ブレーキセット、シートピラー、エアロシェイプのボトルです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
次はエアロでないタイプのデュラエースです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
基本的な部分はAXとほぼ同じです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
ブレーキセットは主流のサイドプルですが、デザイン的にはカンパの亜流になりたくなかったという感じですね。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
ここからは600EXです。アラベスクパターンという模様が特徴ですが、当時の私はこの装飾はあまり好きになれませんでしたね。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
チェーンホイールのデザインはデュラエースを踏襲しています。ラージフランジのカセットハブもありました。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
こうしてみると、UGチェーンは商品コンセプトの寿命が長いですね。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
こちらは初代のデオーレです。この名前もいまだに使われていますね。まだMTBは世の中に出ておらず、DEOREはツーリングモデルとして展開されていました。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
当時のツーリング車用のクランクは、TA、ストロングライト、プロダイナミック等の5ピンタイプが広く使われていました。さすがのシマノも5ピンを出してきましたが、鍛造のアウターリングやDDペダルとの組み合わせには迷いがあったのでしょうか。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
EXのつかないデュラエースも継続生産されていたようです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
当時の高級フリーホイールと言えば、なぜかゴールドでしたね。ほかにもサンツアーのプロコンペ、イタリア製のレジナオロなどがゴールドでした。
エンドはSF/SFR/UFにEFが加わっており、バラエティがありますね。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
レギュラータイプの600シリーズです。ハブとUGフリー、UGチェーンはツーリング車でも使っていた人は多いのではないでしょうか。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
プレスエンドと各種小物です。
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普及タイプのパーツにまでエアロを展開したようです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
続き。
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これは当時のジュニアスポーツにもよく使われていたフロントフリーシステムです。つまり走行中はペダルを回さなくてもチェーンホイールが回転しているため、ギヤチェンジが可能という製品です。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
これもどちらかと言えば初心者向きのメカニズムで、ポジティブ・プリセレクトシステムというものです。
通称ポジトロンと呼ばれていた、変速位置決め機構を持つ変速機にはパンタを動かすバネもなく、細い鋼線の変速ワイヤーはプッシュプルシステムとなっています。
当時のサイクリストはこの手の変速位置決めメカは初心者向きと決めつけていましたが、現代のコンポはシマノもカンパもこちらが主流となっていますね。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
ここから4ページにわたって、コンポーネントの推奨組み合わせのチャートです。※拡大画像はこちらをクリックしてください。
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そして裏表紙です。※拡大画像はこちらをクリックしてください。