追憶のカタログ展Part25:1980栄輪業

  追憶のカタログ展先頭ページに戻ります

追憶のカタログ展

− Part25:1980栄輪業 −

Part25は1980年 のSR、すなわち栄輪業カタログです。 当時のSRは毎月のニューサイクリング誌にもグラビア1ページの広告を出しており、チェーンホイールやハンドルバーを中心に多くの製品を出していました。
ですが、「マニアサイクリスト」の自転車には意外に使われなかったのが、今考えると不思議です。特に、ESLシリーズはチタンパーツを贅沢に使用し、当時としては超軽量パーツだったのですが。
個人的にはロイヤル5チェーンホイール、プラットホームタイプのペダル、ハンドルバーなどを使った事があり、今でも、ペダルとESLピラー、ESLステムは手元にあります。
その後、いつの頃だったかは記憶も定かではありませんが、トリカブト事件で世間を騒がせたりもしましたね。やがてサカエはモリ工業の支援のもと、サンツアーとともにSR-SUNTOURとなり、1995年には台湾資本に売却されたのでした。
ここでは英文カタログを見開き2ページを1つにまとめた形で掲載しました。


表表紙と裏表紙です。SRのロゴはリニューアルされたタイプとなっています。裏にはコンポーネントとして各製品 をチャート化していますが、機能としての分類というよりは、価格帯別にまとめたような感じですね。

拡大画像 "enlargement pictures"(Left)  拡大画像 "enlargement pictures"(Right)

各種チェーンホイールの紹介ページです。ロイヤルはカンパ完全互換で、仕上げも美しく、私は好きなパーツの一つでした。ESLは今の水準でも軽量な部類に入ると思います。
またスーパーアペックスとカスタムの5TGタイプは、PCDがストロングライト99互換でした。
アペックスやシルスターは、マスプロメーカーのスポーツ車への採用例が多かったようです。

拡大画像 "enlargement pictures"(Left)  拡大画像 "enlargement pictures"(Right)

ツールも基本的なものは網羅されています。私もコッターレス抜き締め工具、シートピラー用スパナは、いまだにサカエのものを使っています。
ESLのBBは、チタン製のシャフトとフィキシングボルト、軽合ワンの採用で175gとなっており、超軽量に賭けた当時のサカエの力作でしょう。

拡大画像 "enlargement pictures"(Left)  拡大画像 "enlargement pictures"(Right)

サカエのハンドルバーは決して悪い製品ではありませんが、なぜか使う人は少なかったですね。
ただし、マスプロメーカーのスポーツ車にはかなり使われていました。私は左ページ上段、左から3番目の「ロイヤル978」を使っていた事がありました。
ステムでは、やはりESLが超軽量ステムとして知られていました。大胆な肉抜きとお約束のチタンボルト、軽合ウスで、このカタログによると100mmで203gとなっています。当時のマニアの軽量車にはよく使われていたようです。今でもたまにネットオークションなどに出てきますね。

拡大画像 "enlargement pictures"(Left)  拡大画像 "enlargement pictures"(Right)

この2ページには普及品クラスのステムと、当時力を入れていた(?)ペダルが紹介されています。
ペダルはサカエお得意の「メルトフォージング」という製法で作られており、比較的低価格で市販されていました。私は上段左2つ、プラットホームタイプのSP-11と、クイル型のSP-100ALを使っていた事があり、今も手元に残してあります。

拡大画像 "enlargement pictures"(Left)  拡大画像 "enlargement pictures"(Right)

シートピラーは、なんと言ってもやはりESLでしょう。重量210gと、当時のカンパタイプとしては最軽量のものでしょう。でも、このカタログではフォーサーが200gとなっており、意外に軽いですね。
右ページはスペック表となっています。

拡大画像 "enlargement pictures"(Left)  拡大画像 "enlargement pictures"(Right)

こうして見てくると、製品としては決して悪くないばかりか意欲的なものも多いのに、最後まで2番手、3番手という位置づけでしたね。シマノとサンツアーは別格としても、チェーンホイールはスギノ、ハンドルステムは日東、ペダルは三ヶ島・極東というように、各ジャンルの強力なメーカーとまともに競合してしまったように見えます。もっともマスプロメーカー向け、外国向けには好調だったのだと思いますが。
多分、サイクリング愛好家=エンドユーザに対するアプローチに何か不足していたのでしょう。今の言葉で言えば、会社としてはBtoBビジネスが主体で、BtoCにはあまり興味が無かったのかもしれませんね。

 

  追憶のカタログ展先頭ページに戻ります

inserted by FC2 system