ツーリングレポート:1979/08/21:信州峠・木賊峠越え

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1979年8月21日:信州峠・木賊峠越え



信州峠

 信州峠と木賊峠は、何度も走っている私の峠越えツーリングの定番コースです。
 初めて走ったのは1974年の夏でしたが、当時は、木賊峠は言うに及ばず、信州峠への道も長いダートが続いていました。
 その後、再訪するたびに舗装が進み、今やクリスタルラインと名を変えた山岳観光道路となっているのは、多くの方がご存知だと思います。
 そういう意味では、このコースに限らず、30年近く前にダートを中心とした峠越えランが体験出来たのは、いい思い出となっています。
 このレポートは、当時アルバイトしていた自転車店の先輩とアルバイト仲間の3人で走った時のものです。天気があまり良くなく、木賊峠手前から本格的に降り出し、カミナリと土砂降りの中を甲府に向かって下ったのでした。

以下のレポートは、当時書いたものをそのまま載せています。ところどころに赤字で書いている部分は今回付けた注釈です。


8月21日(火):信州峠・木賊峠越え

データ:
 天気:曇りのち雨、メンバー:Tさん・F君、費用:5120円、アクシデント:T氏パンク、転倒

コース:
 新宿駅=小淵沢駅=信濃川上駅(1140m)−11.0km−信州峠(1464m)−4.0km−黒森(1160m)−
                                               08:15                 08:31
                    07:38                      08:25                 08:35

 1.5km−天使園(1260m)−4.5km−金山平(1518m)−4.0km−木賊峠・増富分岐(1250m)−5.0km−
         08:45                 09:30                 10:04
         09:00                 09:50                 10:17

 木賊平(1580m)−1.0km−木賊峠(1700m)−11.0km−観音峠(1356m)−25.0km−甲府駅(260m)
 10:46                 11:35                  12:25                  13:45
 11:02                 11:42                  12:27

 =高尾駅=調布駅 
走行距離:67.0km、所要時間:6時間07分

レポート:
 新宿発の441Mは、同じ車両の登山パーティのトランプが騒がしくてあまりよく眠れず、小海線のディーゼルカーでも、3人ともうつらうつらしていた。
 信濃川上で降りたサイクリストは我々3人のみ。ランドナーをゆっくり組み立てて、今にも降りそうな空を見上げつつ、7時38分に出発した。この天気のため気温も低めで、肌に当たる風が心地よい。
 原で右折して、まずは信州峠に向かう。小生はなぜか好調で、Tさん、F君の2人を置いて先行する。まもなく信州峠に到着。とうとう甲州側の下りも舗装化が始まった。残念だが仕方ないことかもしれない。
 黒森に下り、次は金山峠である。いつものように天使園
※天使園は民宿の名前であるが、YHも兼業していた。の前で一休みする。宿の娘さんはいよいよ美人になってきた。一見、水沢アキ風※う〜ん、時代を感じるなあの顔立ちである。わざわざお茶まで出していただいて感謝!
  一休みしたら、次は金山平に向かう。このアップヒルでは意外にもF君が最後尾。彼は今回はどうも調子が良くないようだ。それに比べてTさんは好調のようで、あまり疲れを感じていない様子である。
 だが金山平からの下りではF君がブッちぎりの速さである。さすがにダウンヒルが得意なだけはある。
 そして、木賊峠への分岐地点に着くと、心配していた雨が降ってきた。今日はどうやらお天道様は拝めそうもないが、F君とTさんは「雨でも行くんだ」と張り切っている。彼らは『三度目の正直』
※それ以前は体調やメカトラブルで増富に下っていたという経緯があるで、なんとしても木賊峠を越えたいらしい。

 ここから木賊平までは完全なフリーラン。小生は今回絶好調で、F26T×R17Tで楽勝ペースで登って行った。木賊平はいつ訪れても素晴らしいが、今回は特にそう感じた。この草原にはむしろ今日のような天気のほうが、幻想的な雰囲気がただよう感じである。あとから到着した二人も目を見張っていた。
 さあ、木賊峠に向けてラストの登りである。だが雨はいよいよ本格的に降り始めて、峠に着く前にはザーザー降りとなってしまった。仕方なくポンチョをはおる。
 11時半過ぎ、木賊峠に到着。だが雨は激しさを増し、ガスで視界も悪く、カミナリまで鳴り始める始末である。
※すぐ横で鳴っていて、今考えるときわめてアブナイ状況だったような・・・これでは食事どころではない。しかしTさんはこんな天気の中でもにぎりめしとジュースで食事を取った。大したものである。さて、すぐ後から登ってきたランドクルーザーが下り始めたのをきっかけに、我々も下ることにする。
 土砂降りの雨の中のダウンヒルを開始したが、これが結構楽しかった。水たまりは深いところでは30センチ以上に達し、もろに突っ込むとハブ軸まで水に浸かってしまうし、横滑りはするしで、泥水を全身に浴びながらの下りである。3人とも歓声を上げながら、わざわざ水たまりに突っ込んだり、スピードを上げてみたり、景色などは全く目に入れず、ただひたすら下って行った。
※う〜ん、オバカですね(苦笑)
 途中でTさんが2回トラブル。1度目はパンク、2度目は転倒である。それでも別に大したトラブルにはならず、更に下り続け、舗装路に出てからもハイペースで下り、13時45分に甲府駅に到着した。自転車も人間も水びたしで、靴下は泥水に染まって、まっ黄色である。


土砂降りの木賊峠

 駅の水道で汚れを落とし、自転車を袋に納めてから、駅前食堂でラーメンの食事。食堂のテレビは甲子園の中継で、箕島高校が春夏連続優勝であった。
 そして甲府発15時13分の550Mに乗車、高尾から京王線に乗り換えて帰宅した。
 あいにくの天気だったが、かえってこの天気が今回のツーリングをより印象的にしてくれたようだ。たまにはこういうツーリングもいいものだと思う。

 

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