ツーリングレポート:1979/08/05〜08「信州・西上州ツーリング」1

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1979年8月5日〜9日:信州・西上州ツーリング
  
この年の夏ツーリングは、中央線富士見駅から 入笠山〜杖突峠〜諏訪湖〜白樺高原〜大河原峠〜麦草峠〜小海と信州の高原地帯を周回、そこから武道峠を越えて西上州に入り、秩父〜青梅経由で東京に戻るという、けっこう走りがいのあるものでした。実質4日間で13の峠を越え、累積標高17,056m、全走行距離は384キロでした。

以下のレポートは、当時書いたものをそのまま再現しています。ところどころに赤字で書いている部分のみ今回付けた注釈です。また写真は当時撮影したものをスキャナーで取り込みましたが、劣化が激しく、色調やピント等はソフトで修正してあります。


行程表:

8月5日(日)、6日(月):

新宿−(輪行)→富士見(950m)−−→仏平峠(1850m)−−→御所平峠(1790m)−−→芝平峠(1470m)−−→金沢峠(1320m)−−→杖突峠(1247m)−−→小町屋(70m)−−→スワコYH(780m)・・・67km(泊)

8月7日(火):

スワコYH(780m)−−→角間−−→茅野−−→芹沢−−→大門峠−−→立科白樺高原YH・・・59km(泊)

8月8日(水):

立科白樺高原YH(1520m)−−→大河原峠(2092m)−−→麦草峠分岐(2000m)−−→麦草峠(2185m)−−→八千穂(780m)−−→小海(780m)−−→木次原(1220m)−−→ぶどう峠(1560m)−−→三岐(650m)−−→浜平(700m)・・・95km(泊)

8月9日(木):

浜平(700m)−−→堂所(600m)−−→志賀坂峠(876m)−−→秩父市内(240m)−−→正丸峠(650m)−−→畑井(260m)−−→子の権現(610m)−−→倉掛峠(310m)−−→山王峠(264m)−−→成木(140m)−−→無名の峠(210m)−−→黒沢(170m)−−→箱根ヶ崎(142m)−−→立川(74m)−−→自宅(30m)・・・163km
 


レポート:

8月5日(日)、6日(月)

 新宿駅のアルプスの広場は「441M」
※当時、山屋さん御用達の新宿発普通夜行列車を待つ人達であふれていた。その数の多さにややたじろいだが、22時10分の乗車時には何とか席も確保でき、まずは一安心。
 乗った車両には、なぜか一匹の犬が紛れ込み、駅員に一度は追い出されたものの、再び乗り込んできて、そのまま電車は出発。日野春駅での長い停車時間
※当時の441Mはこの駅で2時間近くの運転停車だったの間に、ホームで遊んでいるその犬は、結局ホームに置いてきぼりをくらってしまった。
 

 富士見駅でただ一人降車し、人気のない駅前で自転車を組み立てて、6時25分に出発。天気も良く、まずは絶好の峠越え日和である。
 本日のポイントは駅から仏平峠(1850m)までのアップヒル、標高差900m、距離15km。初めから登り勾配はきつく、苦手な舗装路でもあり、走り応えのある登りが続く。

 朝の日差しも強烈で、全身汗みどろでひたすら登り詰め、やがて待望のダートの林道となった。ここからは「必殺の」インナー26T※今ではとても「必殺」とは言えないが、当時は26Tでどんな勾配も安心といった感じでした。リヤは14〜21Tの5速でした。をフル活用、勾配は更に急になったが、割合楽に登って行く。やがて勾配も緩くなり、道の両側は白樺の森が続くようになった。走り始めてちょうど2時間で「首切清水」に到着、小休止ののち20分弱でマナスル山荘に到着した。地図上ではこのあたりが御所平峠(1790m)にあたり、仏平峠はいつのまにか越えたようだ。すぐ横には入笠山の頂上が見えている。

 約10分後に再びサドルに跨り、多少のアップダウンを繰り返しながら、芝平峠(1470m)〜金沢峠(1320m)と走り、金沢湖に到達し、ここできょう初めての大休止とした。
 金沢湖から更に杖突峠(1247m)に向かったが、約6kmのこの林道は路面状態が悪く非常に走りにくい道だった。杖突峠の茶屋で一休みして、展望台からの諏訪市街の素晴らしい眺めを堪能した。
 さてさていよいよ諏訪湖に向かってダウンヒルを開始。安国寺までの標高差477m、距離9kmのダウンヒルを11分で駆け下りた。平均時速49km/h、満足!!
※今考えると怖い物知らずですね。クルマやバイクをガンガン抜いて下っていました。おお、怖わ・・・

 諏訪大社前の食堂で昼食を摂ったのち、諏訪湖をのんびり3/4周して、スワコYHに到着した。スワコYHは建物が重要文化財指定直前という昔の旅籠風のものであったが、ミーティングはそれとは全く関係なく若さにあふれた楽しいものだった。特にペアレントさんの話術と進行がとても上手で、ホステラー達は爆笑の渦に巻き込まれていた。
 また2年前のツーリングで河口湖YHで同宿だった奴と偶然一緒となり、お互いに顔を見合わせてビックリ。こんなこともあるんだなあ。
 

8月7日(火)

 目を覚ますと、外はものすごい雨。諏訪地方はなんと「大雨雷雨洪水注意報」である。コースを少し変更して、大門街道から白樺湖に向かうことにした。
 バイクツーリングの人たちは完全装備で相次いで出発して行ったが、こちらは少し小降りとなった10時に出発。途中でボトルを忘れたことに気づき、YHに戻る。結局10時半の出発となった。途中でまたまたコースを変更、結局ビーナスラインで向かうことにした。途中で上から下ってきた2人組のサイクリストに会ったが、この2人はなんと女性で
※しっかりチェックしてるなあ、しかもサイドバッグ装備だった。頑張っているなあ。芹沢から大門街道に入り、白樺湖を目指したが、この11kmの登りがきつくて、もうバテバテである。湖が見えた時はまるで天国に来たような気持ちだった。
 今日は立科白樺高原YHに投宿。さすがにシーズン真っ盛りであり、満員である。
 


 
 





8月8日(水)

 YHを7時46分に出発し、女神湖を下に見ながら、大河原峠を目指して林道夢の平線
※この時はまだダートが残っていたと思いますを登って行く。大河原峠(2092m)には9時5分に到着、快晴のため、遙か遠くの山々までくっきりと見えて、素晴らしい眺望である。峠を少し下ったところから大石川林道に入る。5年ぶりの大石川林道は全く変わらない雰囲気を保っていた。

 やがて麦草峠との分岐地点に到着。ここから麦草峠を目指す。だが、わずか2kmほどのこの道が、今回のツーリングの最大の難所となった。
※700Cツーリング車アルバムに素晴らしい自転車を投稿いただいたU野さんの、ニューサイ投稿レポートを参考にしました。歩きはじめは深いクマザサの中を進み、クマザサが途切れると今度は原生林の中の岩のゴツゴツした山道をほとんど自転車を担いで歩いて行く。道がわかりにくいが、ところどころの赤いビニールテープやリボンを手がかりに進んでいった。約1時間弱でようやく目の前が明るくなってきたが、またもや深いクマザサをかきわけかきわけ、少しずつ下っていく。途中で10人ほどの登山者と会ったが、皆唖然としてこちらを見ている。
 それでも約1時間20分ほどの担ぎで、ようやく麦草峠(2185m)に到着、ちょうど昼食時であった。峠のヒュッテには乗用車やバスが何台も停まっており、麦草峠はもはや完全な観光地である。サイクリストは3人連れが1組だった。


 YHで作ってもらったオニギリで昼食。300円は高いが、案外ウマイ。
 峠から八千穂まで快適なダウンヒルを楽しみ、八千穂から小海に向かい、小海からぶどう峠への登りにかかる。木次原までは舗装の緩い登りが坦々と続くが、やがて舗装も切れて本格的な登りとなったが、割合あっけなくぶどう峠(1560m)に到着した。峠を挟んでヘリコプターが何度となく往復して、荷物を輸送していた。

  
 峠から三岐までは約12kmのダートの下り。45分間下りっぱなしで、マファックのブレーキレバーを握る手が少々痛い。三岐から浜平に向かい、そして15時52分、奥多野館に到着した。サイクリストに有名な奥多野館は農家そのものといった感じ。風呂の湯は真っ白な鉱泉で、日焼けした腕に心地よい。夕食は質、量とも素晴らしく、こんな素朴な宿がサイクリストのメッカ西上州の山中にひっそりとたたずんでいる事はサイクリストにとって大変ありがたい。いつまでも無くならないで欲しいものだと思った。
※近年、廃業されたとの事ですが、当時の峠越えツーリングの定番とも言える鉱泉宿でした。

8月9日(木)
 今日は一気に帰京する。まずは志賀坂峠(871m)を越えたが、そんなにきつくない道だった。志賀坂峠からはトップギヤを踏ん回して秩父へひた走る。秩父市内に入ると武甲山が目に入って来たが、石灰岩の採石で山肌は無惨に削り取られており、山もかすんで見えている。
 秩父から正丸峠(650m)へ。昼食を途中で食べた以外は休まず走り続け、峠もそのまま通り過ぎ、天目指峠に向かったが、道を間違えて子の権現(610m)に登る羽目となった。荒れた道をドカドカ下り、次に倉掛峠(310m)、さらに山王峠(264m)と越えていく。

  
 この2つの峠はいずれもなかなか趣きがあって、低いながらも好ましい峠であった。そして東青梅から箱根ケ崎に入り、横田基地の横を走り拝島から立川へ。立川からはルート20をひた走り、163キロを走り切って18時42分、自宅に到着。
 今回のツーリングは実質わずか4日間であったが、密度の高い、久しぶりに「走ったなあ」と思えるツーリングだった。

















 

 

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