ツーリングレポート:1974/08/04〜10「秩父・信州ツーリング」

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1974年8月4日〜10日:秩父・信州ツーリング
  
高校2年の夏、輪行による初めての長距離峠越えツーリングを計画しました。
コースは
ニューサイクリング74年3月号の「大石川林道を走る(上野修一殿寄稿)」、4月号の「雨・少女そして富士(村上信一郎殿寄稿)を参考に、秩父から三国峠を越えて信州に入るプランとし、ユースホステルの場所から日程を決めて、夏休みに決行しました。
以下のレポートは、当時書いたものをそのまま再現しています。(ひどい文章で、我ながら笑えます)
一部、今では不適切とされている言葉がありますが、そのまま書いています。
ところどころに
赤字で書いている部分のみ今回付けた注釈
です。

8月4日

 朝9時頃自宅を出発、飯能まで2時間ちょうどで行った。東飯能駅で秩父行きに乗り、秩父駅で下車、秩父鉄道に乗り換えて三峰口で降りた。
 人々の見守る中、20分ぐらいで自転車を組立、走り始めた。道路は舗装されているので、坂のわりには走りやすい。途中のドライブインでざるそばを食べてYH入口まで来たが、なんと階段! それでも20分くらいかかって、やっとYHに着く。先着組の1人に
山王※自転車のブランド名を所持している人がいた。
 ここ秩父YHのペアレントさんはなかなかおもしろい人だ。しかしグループが目立つなあ。何故だろう。
(走行距離62km、費用1830円)


8月5日

 山王の人と走るコースが同じなので、一緒に行くことにする。それにしても山王氏はベテランのようで、付いていけるか少々心配。コースは中津仙峡といわれているだけあってなかなかすばらしい眺めが続く。しばらくして
踏切※ゲートの事が見えてきた。中津川林道の入口である。ここから1800mくらいある三国峠までずっと登りである。しばらく必死に走ったあと押し上げに変わった。所々、水が流れているところがあって、その方は心配しなくて済む。それにしてもぼくは脚力が無いなァ。同じ押し上げなのにどんどん差がついていく。ガンバラニャー。
 峠が見えるようになってきたころ、すごく冷たい沢を見つけた。それこそものの10秒も我慢できない。しばらく水とたわむれたあと出発して、やっと峠に着く。1800m近くあるのに、それほど涼しくない。
 しばらく休憩してから下り始めた。そうなると
1/2※タイヤの太さを付けている山王氏は速い。どんどん下っていくが、僕はシイチ※同じくタイヤの太さの悲しさ。足元の差はいかんともしがたい。それでもどんどん下って、やっと舗装になった。

 長野側はやはり少し雰囲気がちがう。広大な畑の中の舗装路を快適に飛ばしていき、信州峠との分かれ道に着いた。手前の店で牛乳を飲み(山王氏のオゴリ)、ここで別れた。さあもうひと踏ん張り!
 しばらくはゆるい坂道を登って行く。それにしても広い! 畑では農家の人が働いていたが、この広さでは大変だろうなあと思う。そういう風景もいつか見えなくなり、山の中に入って行った。信州峠はおよそ峠らしくないが、まあ記念にと思って写真を撮った。
 ほんの僅か登って下りが始まった。これが急な下りでなかなかスリルがある。かなり長かったが、下り終わると黒森部落だ。山の中の小さな部落だが、何か生活の厳しさみたいなものがうかがえるようだ。YHへの道は林道だった。地図では15分だが、そんなに短くは思えなかった。

 やっと着いたYHはおよそそれらしくない民宿のイメージだ。ニューサイにでていた女の子が色々やってくれた。部屋に30分ほどいたが、ひまなので外に出て自転車を整備していた。するともう1人サイクリストが到着。
ベニックス※当時人気だった丸紅山口の高級ツーリング車の改造らしい。予約はしていないそうだ。聞けば僕と同じ方向に行くと言うので、明日は一緒に行くことに決める。
 このYHは食事がすばらしく、環境も良い。何回でも来たいところだ。
(走行距離75km、費用1880円)


8月6日

 さあ峠越えだ。
最初から押し上げ※オイオイ、若いのに最初から押すなヨ だが二人で自転車の話をしていると特に苦痛にはならない。途中のミズカキ山荘で道をたずね、また走る。押し上げと走行を繰り返しながらしばらく走って、ようやく木賊峠に着いた。クルマで来ている人もいた。
 少し下ったところで紅茶をわかして飲む。それにしても彼はいろいろと持ってきているなあ。
 さあ休んだし、ダウンヒルだと思ったとたんパンク。まあ、その時はあわてず直したのだが空気が抜ける! ナヌ! もう一回ばらすと、もう一ヶ所穴を発見。それをふさいだのだが、まだ抜ける。すでに40分だ。彼に先に行ってもらう。とうとうその場では完全に直らない。どうやらあちこちいかれているらしい。そのまま下って行ったが、4、5回ほど途中でばらした。沢の所で水につけてみると、修理した所からもブクブク。

 やけを起こしてしばらく
パンクしたままで※この時はスペアチューブは持っていなかった下ったが、観音峠のあたりから路面が急に悪化して、にっちもさっちも行かなくなって歩いて下る。そのうちにやっと舗装路に出たので、リムとタイヤのことをかえりみずにすっ飛ばして自転車屋をあたる。
 ここが最後と思った所で、やっと27のチューブが手に入ることになった。おまけにカルピスまでいただいて助かった! アリガトウ!!
 一生懸命走って、甲府YHに着いたのは7時30分。ベニックスの彼も来ていて偶然の再会にビックリ。「あっ、来た!」だって。あ〜ア、疲れた!!!
(走行距離45km、費用2185円)


8月7日

 今日は中央線で下諏訪まで行く。その前にタオルなどを甲府で買った。この出費は少し痛い。時間もそんなに無いので、甲府駅北口で自転車をバラしていると、中津川を一緒に超えた山王の人が来た。彼はもう帰るそうだ。2人そろっての分解に通行人の目が集まる。
 9時44分発松本行きに乗る。こういう電車に乗るのは久しぶりなので楽しい。小淵沢で駅弁を買ったが、ただの幕の内なのに400円は少し高いなあ。味はまあまあだったが。

 下諏訪駅に着いたのは11時44分。自転車を組み立てて和田峠に向かう。7、8km登りつめたところで足が疲れてきて、しばしの思案の末戻ることに決める。上諏訪までは下りばっかりなので快適に走る。バスはあったが時間が20分ぐらいしかない。必死にバラして
バス※上諏訪〜白樺湖間の国鉄バスに乗る。よかった。フ〜。
 バスはかなりの坂をあえぎあえぎ登っていったが、この道ではたとえ
ランドナーでも無理だ※後めたくて、こう言い訳しているところがおかしい。車窓からの眺めは広大。ヴィーナスラインに入ってからは、すばらしくて言うことがない。白樺湖はやたら観光地化されていて興ざめ。ミニサイクルやミニタンデムがやたら多い。カポカポサンダル※当時流行っていた厚底のサンダルも目立つ。

 女神湖までの道はゆるい坂が続く。そして5時頃、立科白樺高原YHに着いた。建物は素晴らしい物で、どうやら満員。食事は浜名湖YHみたいな感じである。ミーティングは99名で行った。にぎやか〜。部屋で地図を見る。計画を変更して、明日は周辺ポタリングにする。たまにはこんなのもいいだろう。
(走行距離27km、費用5620円)


8月8日

 今日は
ユックリズムで攻める※まるで矛盾したことを書いているなあ(^_^;;。最初に蓼科牧場に行くがつまらない。今度は第2牧場へ。牛乳を飲んだが濃くてうまい。
 そこから林道に入ったが、あまりおもしろくないので、また第2牧場へ戻ったが、観光客がやたら増えている。どうやら名所らしい。それにしても高原には場違いのロングスカートとカポカポサンダルが目立つ。
みっともない!※断定している所がコワイ
 女神湖で昼めしを食って、一周する。郷土館に入ったり寝ころんだりして時間を使う。3時半頃YHに戻って過ごす。明日は大石川林道である。
(走行距離25km、費用1050円)


8月9日

 YHを8時半頃出発。夢の平線は途中で舗装が切れたが、勾配がそんなにきつくないので、アッという間に大河原峠に着いた。ここから大石川林道に入ったが、
ニューサイの記事※かの有名な上野さんの紀行文のとおり、最初は乗れない。それでも景観を楽しみながら歩いていくと、じょじょに走れるようになった。しかし進んで行くにつれて道がしだいに悪化。いたるところでガケ崩れにより道がふさがっている。岩に乗り上げながらも進む。すると2〜3日前のものと思われる自転車のタイヤの跡が残っていて、おもわずほおが緩む。同類はどこにでもいるものだ。雨池のあたりから完全に下りになったが、道は1mくらいの石が敷き詰めてあって乗ることは不可能。ゆっくりと押し下げて行った。
 3日ぐらい前からの下痢は完全に治っておらず、途中で2回、野○○をやった。
 やがて八ヶ岳横断道路が見えた! こうなるとやたら舗装路が懐かしい。ひっちゃきに下る。途中で1回転倒した。(今回の初転び) 八ヶ岳横断道路は八千穂までずっとダウンヒル。ものすごいスピードでどんどん下る。1800mから900mまでのダウンヒルだから、何も言うことがない。
 八千穂に着いて桃を買った。うまい。小海線は期待ほどでなく、観光客が多くてローカル線の感じは無かった。清里もしかり。つまらない町だ。
 
YH※当時、気チ○○ユースと言われていた清里YHもぼろくて、ミーティングもただわいわい騒ぐだけで、あまり良い所とは思えない。とにかく疲れたので、明日はすぐ帰ろう。
(走行距離70km、費用2190円)


8月10日

 小海線で小淵沢まで戻り、そこで高尾行きドン行に乗り換えた。途中、大月で釜メシを買った。これも400円だが味は良い。ボンヤリと今回のツーリングのことを考えてみる。 高尾で京王線に乗り換えると、もう旅は終わりを告げていて、何か普段の生活に戻ったようだ。
 9月はどこに行こうかな。道志にでも行ってみようかな。
(走行距離1.5km、費用2150円)

The End

 

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