ツーリングレポート:1974/05/03〜05:奥武蔵自然歩道・グリーンライン

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1974年5月3日〜5日:奥武蔵自然歩道・グリーンライン

 高校2年1学期のゴールデンウイークに同じクラスの自転車仲間と出かけました。 私が通っていた高校は何故か5月4日が開校記念日ということで、毎年3連休というありがたい環境にありました。この年のGWは奥武蔵を走る計画を立てて、YHを予約し、丸石エンペラー、丸紅山口ベニックスインタークラブ という27インチ快走車で走りました。この時は割合安易に計画を立てたため、予想外の自転車担ぎなどもあって、結構難儀しましたが、それだけに良い思い出になっています。

 以下のレポートは、当時書いたものです。ひどい文章でお恥ずかしいですが、あえてそのまま載せています。ところどころに
赤字で書いている部分は今回付けた注釈です。

コース:

5月3日(金) 計59km:自宅−府中−飯能−天覧山−(奥武蔵自然歩道)−鎌北湖YH
5月4日(土) 計62km:鎌北湖YH−越生−都幾川村−白石峠(763m)−刈場坂峠(850m)−顔振峠(500m)−飯能YH
5月5日(日) 計50km:飯能YH−府中−自宅


レポート:

5月3日(金)
 府中で友人と待ち合わせて、午前9時に出発。GWのせいかサイクリングが多い。
 飯能までは平坦な道が続き、快調なペースで走った。天覧山に行く道を間違えて、やや時間を使ってしまったが、天覧山を見つけたので少し休む。友人はパンを仕入れた。天覧山はたった195mしかないので、家族連れでにぎわっていた。
 中腹から右に入る道が奥武蔵自然歩道の入り口。しばらく走って行くと国道に出た。西武線の踏切を渡って、田んぼの中のあぜ道を進むと登りとなった。
 早速押して登るが、前に1台の自転車を発見。同じようなことをする人がいるんだなあと思って近づいてみると、ALPSさんだった。
※他人の自転車が気になってしょうがない乗っている人は40をとうに過ぎた感じ※あの頃は自分が若かったから・・・の人だった。それを抜かしてなおも登ると、高麗峠に到着(180m)。そこからしばらく下って行くと、何やらどこかで見た風景。中3の時のオリエンテーリング遠足の所だった。自転車を担いで橋を渡り、「巾着田」に着く。ものすごい人、人、人。子供達が自然の中でのびのびと遊んでいた。カエルを捕まえている子、水の中ではしゃく子などなど。

 さて、そこを過ぎて日和田山への登りにさしかかった。最初は楽だったが、だんだん道が狭くなり、登山道になってしまった。たった305mとは言え、自転車を押して登るのは楽ではない。とうとう岩場まであらわれて、回りの人達に好奇の目で見られて、少々恥ずかしい。インフレーターを落としながらも頑張って登り詰めた。と思いきや、まだまだ登りは続き、しかも鎖場まである。しかしそこでくじけては男がすたるってな感じで頑張って、日和田山を越えた。ここから物見山までには1つのヤマがある。高指山のマイクロウェーブである。急坂に崖、汗があとからあとからにじみ出てくる。でも、それがかえって楽しいものである。マイクロウェーブのところには茶店があった。ずいぶん高く上がってきたので、ここで一休み。ファンタ80円
※ちなみに当時の標準価格は70円です。
だった。林道が少し下まで続いているが、途中からまた自然歩道に入った。
 

半杭君:奥武蔵自然歩道にて 4日の朝、皆で記念撮影
やや右後ろに、件の女性サイクリスト

 ここからが本当の登山道(5万分の1の地図で点線)で、登山者からはまるでキチガイ扱い。所々で「あそこをどうやって降りるんだ?」とか「無理無理」なんて言われて少し不安になったが、それでも進んで行く。物見山(375.4m)の頂上間際で道は2本に分かれた。右は確かに降りられそうにない。友人と相談して左の道を行くことに決定したが、そこで女性3人組に話し掛けられて、その内の1人が「鎌北湖で会いましょうね」だって!。まったく人の気も知らないで。

 左の道はなだらかな尾根道で割合楽だった。とは言っても自転車を押していったのはいうまでもないけど。しばらく歩いて、何のきなしに右を見ると、はるか遠くにマイクロウェーブ。ずいぶん歩いたなあと実感した。それからしばらくするとものすごく急な下りが現れ、しかもその下は林道ではないか!。喜び勇んでザザーと下りると標識。やっと自転車に乗れるぞと思うと、自然に疲れも無くなる。そこからはブレーキレバーを握りっぱなしで下る。手が痛くて時々休みながら下っていくと、とうとう湖らしきものを発見。「やった!」と思った。
 が、がだよ、諸君。自転車の後ろからガガガーという異音。セパレーツ式のマッドガードの取り付け部が振動で折れてしまったのだ。まったく予期せぬトラブルだが、あまり気にならない。なによりも登山道を走破した喜びのほうが大きかった。それにしても鎌北湖はまるで池のように小さいと思った。

 YHに着いたのは3時5分頃。県営だけあって立派な建物だ。受付を済ませて部屋に入り、荷物を整理する。そのあと、もう一度外に出てポタリング。すると向こうからサイクリスト。手をあげたら「コンニチハ」だって。もしかしたらと思ったら、やっぱりスタッガード型フレーム
※普通ここまで見るか?・・・にギドネットレバー。そう、女性サイクリストであったのダ。※「のダ」というところに喜びが・・きっと同じYHだろう。

 夕食の前にフロに入る。老人と一緒だったが、その人は夫婦で来ているらしい。ほかにも同じピンクのセーターを着ている2人連れなどもいて、なんとなく「わびしいなァー」。
 夕食の後はミーティング。自己紹介でさっきの女性サイクリストが判明。千葉から来たそうだ。ミーティングのあと、ヘルパーの人が湖の周りを歩こうと提案。むろん行く。外にでると、千葉の女性サイクリストから話し掛けられた。サイクリスト同士、すぐにうち解けてずっとサイクリングの事ばかり話していた。高3だそうで、高校のクラブに2年間入っているそうだ。神高
※私の通っていた高校の略称にはいないのかなあ、こういう人は。その人の自転車は富士の改造で、一つだけ外国部品が使われていた。マファックのギドネットレバーだ。※しかし、よく観察してる(^_^;疲れたけど楽しい1日だった。


5月4日(土)
 朝起きた時ガックリきた。夢の中でなんとミセス竹中
※高校の担任教師が出てきたのだ。あーあ、今日はグリーンラインにチャレンジするというのに。出発前に10人くらいで記念撮影。
 壊れたマッドガードは針金で固定して、女性サイクリストが出発して5分くらいしてからこちらも出発した。

 快調なペースで突っ走り、越生を過ぎて都幾川村に近づいたあたりで女性サイクリストを追い越す。それにしても彼女も速いなあ。彼女に「お先に」と言ったら「速いのね」だって。彼女は4段変速で群馬まで行くそうだ。しばらく走り、天文台入口という標識のところで休む。すると彼女が追いついてきて、手を振って走り去っていったのでありました。

 しばし休んだ後、いよいよ出発。しかしそこからは乗ったり降りたりを繰り返し。行けども行けども登りばかり。自然と休憩が不規則になっていく。湧き水を見つけて、パンをかじっていると、友人の「ロードだ!」の声。冗談かと思ったら本当にロードだ。ガーン!
 カスクを被ったその人は、僕たちに軽く会釈して走り去っていった。スゴイナー。よし我々もと思うのだが、やはりダメだ。結局のんびり行こうぜということになった。途中の店でHi-Cを買ったら150円
※また値段を記録してますだってさ。まいったまいった。しばらく走ると、やった!白石峠だ。昼飯を食べ、さらに黙々と走っていくと刈場坂峠に着いてしまった。大野峠はいつ過ぎたんだろう?

 ここから道は2手に分かれ、我々はグリーンラインに入った。グリーンラインは1車線の道で、しかも所々崩れている。第一の峠はブナ峠(775m)だった。写真を撮るつもりで急停車したら、友人が避けきれずに転倒してしまったが、さいわいケガも無くインタークラブも無事でよかった。峠から先の方が見えたが、ものすごい坂である。見た限り30度くらいあるように見える。もちろん実際にはそんなにないが。でもトップギヤで登り切った。友人はゆっくり登ってきた。どうやら飯盛峠は越えたようだ。

 そこから下っていくと不動堂に着いた。見晴台もあって、たくさんの人でにぎわっていた。茶店も3軒ほどあって、にぎやかな所である。そこから更に下って、だいぶ下ったなあと思う内に顔振峠に到着。ジュースを買って、お茶をただでいただいて一休み。標高によって飲み物の値段が変わり、今日は70円→80円→150円→70円という具合だった。
※しつこく記録してるなあ・・・そこからの下りはまるで吸い込まれていくよう。アッという間に国道299号に出て、一路飯能を目指した。

 高麗の旧石器住居跡をちらっと見て、道に迷いながらも飯能YHに到着した。ここがまた変わったところで、自宅の庭にある納屋のような建物が泊まるところだった。12畳に12人がゴッタ寝するはめとなった。フロも小さくて少し気分を害したが、食事は大変良かった。なんとジンギスカンの食べ放題で満腹満腹。
 ところで、ここに30人のサイクリストが集団でやってきた。慶大CCだそうで、自転車はほとんどオーダーのようだった。アルプスと神金
※必ずチェックしてるところが我ながらたいしたもんだ・・・が多かった。何となく引け目を感じるなあ。でもリーダーらしき人に「君たちはポタリング?」と言われたのには、少し頭にきた。※なんたって担ぎまでありましたからね・・・

 ミーティングでは、合唱サークルの人達が来ていたようで、その人達の美声(?)を聞いたり、ゲームをしたりして、なかなか楽しかった。

白石峠手前で見掛けたロード グリーンラインのブナ峠にて

5月5日(日)

今日は帰るだけである。2泊3日のツーリングなんてあっけないものだ。淡々と走って帰って来てしまったが、今回のツーリングはなかなか充実していて、非常に納得のいくものだったと思う。

 

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