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1.きっかけ

1972年9月号 サイクリングの世界を知ったのは1972年、中3の秋でした。近くの書店で何げなく手に取ったサイクルスポーツ誌とニューサイクリング誌がきっかけです。(以下、CS、NCと略します)
 その時買ったCSとNCが画像の2冊で、いずれも9月号でした。今でも大切に保管しています。当時の定価はCSが200円、NCが230円でした。
 その後NCとCSを何号か読んでいる内に、分解して鉄道に持ち込めることや、注文して作ってくれるメーカーやショップがあることを徐々に理解し、峠越えの紀行文にサイクルツーリングの楽しさを見いだし、当時の私は高校の受験勉強そっちのけで、サイクリングの世界に一気に引き込まれていったのでした。つまり、私のサイクリングとの出会いは実は自転車雑誌でした。

 

ベニックス広告 ニューサイクリング1972年9月号の特集記事「サイクリング用車の知識」は、JCA(日本サイクリング協会)購入車の仕様を例として、サイクリング車の基礎知識を解説したものです。
 また「日本一周のアルバムから」では、10ヶ月で日本一周したサイクリストが撮影した各地の写真が載っていますが、自転車は今では滅多に見ることが無くなった典型的なキャンピング車です。
 世の中、バイコロジーブームが始まった頃で、広告のベニックスは、当時のメーカー車としては相当本格的なツーリング車として発売されたものの一つでした。

 

 

 

ツール・ド・フランスでメルクスが4連勝目を記録した記事 サイクルスポーツ1972年9月号の特集記事「輪行車のすべて」は、「キミにもできる輪行車へのやさしい改造」と題したグラビア記事やオーダー車やショップオリジナル車を含む市販の輪行車の紹介記事で、輪行車を特集したものでした。今では「輪行車」という言葉は、死語に近いかもしれませんね。
 画像はツール・ド・フランスでメルクスが4連勝目を記録した記事ですが、左ページの囲み記事では、シマノ提供のTV番組「素晴らしき自転車野郎」が始まったことを紹介しており、私も毎週欠かさず見ていたものです。
 「素晴らしき自転車野郎」は、東京地区では1972年7月から第10チャンネルのNET(日本教育テレビ:今のテレビ朝日)で毎週日曜日に放映されました。そしてこの番組のスポンサーは島野工業、もちろんあのシマノです。番組の合間に流れていたCFは、クレーンやタイトリスト等、当時の最新変速機の宣伝がメインだったかと思います。
 丁度バイコロジーブームの頃で、2クール26本を三部に分けて、第一部アメリカ編、第二部ヨーロッパ編、そして第三部日本編となっていました。第一部では、当時学生さんだった吉田治久さんや中村博司さんが出演されていたと思いますが、記憶は定かではありません。お二人はその後シマノ社員となり、シマノがスポンサードしたヨーロッパプロチーム「フランドリア」のメカニシャンとしてヨーロッパに行かれたのでした。
 この番組を観て、サイクリングを始めたり自転車に興味を持った人は、当時どのくらいいたのでしょうね。主題歌と挿入歌はシングルレコード化されて発売され、もちろん私も買いました。作詞阿久悠、作曲都倉俊一という豪華コンビが作った曲は今でも時たま、ノンビリ自転車に乗っている時などにふと頭に浮かびます。もちろんレコードは今でも手元にありますよ。

2.初めての長距離サイクルツーリング

 初めての長距離サイクルツーリングは誰にでも経験がある国道サイクリングで、東京の自宅から岐阜の母親の実家まで3泊4日の道中でした。とりあえず志望高校に入学した年、1973(昭和48)年8月、高1の夏休みのことです。
 コースは、箱根を迂回するために自宅から神奈川県厚木を経て国道246を沼津まで行き、その後はひたすら国道1号を走り名古屋へ。名古屋からは国道22号で岐阜に入りました。当時走ったコースをあらためて地図で調べると、だいたい次のような行程です。

  • 自宅〜厚木〜沼津〜三津  :130km 三津ユースホステル
  • 三津〜沼津〜清水〜美保  : 66km 美保ユースホステル
  • 美保〜清水〜静岡〜浜名湖 :115km 浜名湖ユースホステル
  • 浜名湖〜名古屋〜岐阜県笠松:117km 母親実家       合計328km

  長距離ツーリングもユースホステルも何かも初めての経験ですので、このツーリングに出掛ける2ヶ月前にはユースホステルの予約を済ませて、自宅から厚木までの練習サイクリングを2回行った事を憶えています。
  予算はYHの宿泊費(少年パスだったので1泊2日で700円!でした)を含めて1日1200円程度でした。昼食代と飲み物が500円というわけです。
  自転車はその年の4月に買ってもらった初めてのサイクリング車の「丸石エンペラー27」です。

  初日から3日間は連日土砂降りの雨でした。国道246号線御殿場付近でトラックの水しぶきを全身に浴びながら食べたお握りの味、静岡付近のガソリンスタンドの軒先を借りて前後ハブのグリスアップをさせていただいた事、トラックやタクシーの運転手で一杯の定食屋で値段以上のおかずをいただいた事など、初めての長距離ツーリングで、ともすれば引き返したくなる気持ちを鎮めてくれた想い出です。
  帰りは逆に連日の猛暑で、今度は3日間連続でパンク。初心者の悲しさでスペアチューブは持って行かなかったのですが、たまたま川の近くだったので、チューブを川の水につけてパンク箇所を探して修理したものです。

 この時以来、サイクリングと自転車は私の一生のホビーの一つとなりました。

 

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