My PASS-HUNTING 03

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 My PASS-HUNTING    03



 サイクリングは四季を通じて楽しめるが、何といっても真夏のツーリングが一番好きだ。たぶん最初の本格的なツーリングが高一の夏休みだった事が原点なのだろう。
 容赦なく照りつける太陽、真っ青な空に浮かぶ白い入道雲、うるさいほどの蝉時雨、真夏の昼下がりのひっそりとした旧街道。そんな中を汗びっしょりになりながらペダルを踏んでいくと、道はいつしか人里を離れ、目指す峠に向けて少しずつ勾配も増してくる。さあ、ひたすら目の前の路面を見つめながらのヒルクライムの開始だ。
 それでも額からこぼれてくる汗をぬぐいながら顔を上げると、稜線からの涼しい風が火照った頬を心地よく撫でていく。時折聞こえる野鳥のさえずりも、きついヒルクライムには恰好のなぐさめになる。
 ふと気付くと、視界が広がって峠が近い事を知る。やがて目の前の道がすっと消えると、そこが目指す峠だ。自転車を止めてサドルから降りて汗を拭く。肩で息をしながらも、登り終えた満足感で気分は爽快。
 さあ、ここからはダウンヒル。山の涼風を全身に受けながら、一気に下って行こう。
 

 

 



 −−文と写真 <GAMI>

 


大平街道は昔からサイクリストに人気のある旧街道である。中山道妻籠宿の南端、橋場で中山道と分かれ、大平峠(木曽峠)、飯田峠を越えて飯田に至る最短ルートとして、慶安2年(1649年)に飯田城主によって整備された。その後も明治・大正・昭和を通じて、名古屋地方と飯田を結ぶ重要な交通路としてにぎわいをみせていた。
第二次大戦後も、御岳交通と信南交通のバスが相互乗り入れしていたほどであったが、国道153号線(旧三州街道)や国道256号線(清内路街道)の整備が進むにつれて、利用度は急速に低下し、現在は落ち着いた静かな雰囲気を漂わせている。(参考文献:信州の峠[第一法規出版])

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