現行部品を中心としたスポルティーフの組み付けの一例

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独断的偏見による考察  現行部品を中心としたスポルティーフの組み付けの一例

(2006/11/02:新規作成)

 


はじめに

 上の写真の自転車は言うまでもなく私の所有しているもので、こちらのページではライトツーリング車と称していますが、いわゆるスポルティーフと言っても差し支えないと思います。本ページでは、この自転車を題材として、私がどのような考えでこの自転車を組み上げたかを 、私なりの独断的偏見(?)と経験を交えながら書いていきます。

 まずは上の写真をじっくりと見ていただきたいと思いますが、この写真を見て「なんだ、別に大した事はないなあ」と感じた方は、以下の説明は読み飛ばしていただいて結構です。何か疑問等を感じられた方は、以下の説明もお読みいただければ幸いです。他人の自転車ではないだけに、良い点、悪い点を冷静に言えますので、その点はご了承下さい。

・・・・ちなみに以上の文章を読んで、「アレッ、どこかで?」と思った貴方はかなり古くからのニューサイクリング誌の読者だと思います。このページはニューサイクリング誌1974年11月号の「自転車メカニズムの楽しみ」という記事をモチーフとさせていただいています。この記事をはじめとした当時のニューサイクリング誌のオーダー車やメカニズムの記事は、まだ初心者だった私には大いに参考となり、背表紙がはがれるほど繰り返し読んだものでした。

 

オーダーした時のこと

  この自転車は私自身のサイクリングの長い休止期間が終わって、この世界に戻ってきた1999年に、12年振りにオーダーしたものです。復帰した当時は、昔定番だったフランスのパーツの衰退、各種規格やパーツの構造の大幅な変化に、まさに浦島太郎状態でした。
 しかし、最新部品はレースだけではなく、性能・機能・安全性の高さからツーリングにも大きなメリットが得られることに気づき、それらのパーツを装備して、トラディショナルなシルエットを大事にしながらも、使いやすいツーリング車を作れないかという事で製作しました。

 左の写真は完成当時のものです。
 見てわかるように、当初はシマノのアルテグラ・デュラエース・105を中心としたアッセンブルでした。
その後、色々なパーツに組み替えて試行錯誤した結果が現在のパーツ構成です。
 当初の仕様の特徴としては、クランクとチェーンリングの組み合わせがあげられると思います。
 アルテグラトリプルは私には使いづらい52-42-30だったので、アルテグラトリプルクランクに105の50Tアウター、アルテグラトリプルの42Tミドル、TAゼファートリプルの32Tインナーを組み合わせました。リヤ変速機もカタログ上のフロント歯数差が14Tのデュラエース(7700番台)を採用しましたが、チェーンを詰める事でフロント歯数差18Tを吸収していました。

 

現在のスペックについて

  現在のパーツ構成は、基本的にちょっと前のカンパニョーロデイトナ(現行ケンタウルの初期バージョン)とシマノの混在です。 以下に何点かポイント(と言うほどの事でもありませんが、)を書いておきます。

  1. カンパとシマノの相性

     スプロケットがシマノで変速機がカンパの場合、同じ9Speedとは言え、スプロケットやスペーサーの厚みの関係で本来はうまく動作しないはずですが、何故か問題なく変速しています。元々私はカタログスペックを額面通り受け取らないで自分で試してみるのが好きなので、今回もスプロケットとチェーンはそのままにカンパの変速システムを組み込んでみたら、うまくいったという次第です。
     たまたま製品の個体差の相性が良かったという事だと思いますが、試してみる価値はあると思います。こちらのページにもそのあたりについて書いていますので、興味のある方はご参照下さい。
     

  2. 変速機のキャパシティ

     チェーンホイールのアウターとインナーの歯数差は48-30=18枚あり、カタログスペック上はショートケージのデイトナリヤ変速機のキャパシティ範囲外です 。この場合、カタログ上ではロングケージを使用することとなっていますが、見た目がダルなので、私は長いプーリーケージが嫌いなのです。
     リヤスプロケットは最大でも25Tまでしか使いませんので、フロントインナー30×リヤトップ13の組み合わせがギリギリ使える長さにチェーンをセッティングしたところ、結果的には全てのギヤ比が使用出来るようになりました。もちろんFアウター×Rローや、Fインナー×Rトップなどの組み合わせを使うケースは実際にはありません。
     

  3. ブレーキ系

     ブレーキは完成当初はシマノ初のデュアルピボットタイプの旧105ラージサイズ、その後、同一形状で表面仕上げが異なるRX100を経て、現在はBR-R600としています。 ラージサイズ(我々の世代にとってはノーマルサイズ)なので、28C程度まではガードも問題なく装備できます。
     ただし、幅が広めのマッドガードの場合、ブレーキをかけた時にブレーキ本体の内側とガード側面が接触することもあり、接触する部分を現物合わせで多少狭める必要があります。
     

  4. ハンドル回り

     ハンドル回りは若い頃から気分転換のつもりで頻繁に交換していました。おかげで古いバーやステムが部屋の中にゴロゴロしていた時期もありました。
     この自転車は当初は日東Mod55+同パールの組み合わせでしたが、エルゴパワーに交換してからは、アウターを這わせる溝がバーの前後にあるタイプにしています。
     現在はITMの浅曲がりタイプハンドルバーとエアロタイプステムの組み合わせですが、トラディショナルな雰囲気になっています。
     

  5. フレーム

     フレームは、丹下No.2のチューブにイタリアンカットのロストラグ、ナガサワのロストフォーククラウンを素材としており、工作についても特に凝ったものは施しておりません。リヤエンド幅こそ130mmですが、それ以外は70年代のスポルティーフとなんら変わらないトラディショナルなものです。スケルトン(今風に言えばジオメトリ)も、フレームサイズ(580mm)とトップチューブ長(550mm)のみ指定し、後は常用速度と乗り方を伝えて、ショップに一任しています。
     

  6. 気づいた点

     以上のように色々な現行パーツを使っていますが、トラディショナルなデザインと工作のフレームに、アルミのロード用チェーンホイールと、ちょっと前のスレッドステム(日東パールやチネリ1/Aのようなアヘッドでないタイプ)を使うだけで、全体的なシルエットは意外にトラディショナルになるのが面白いところです。一歩進めて、最近主流になりつつあるカーボンクランクや完組ホイールを採用したらどうなるかも興味深いところで、いずれ試してみたいと思っています。
     こうやって自分で試してみると、もちろん無駄な月謝を払う場合もありますが、自分なりの色々なノウハウが蓄積出来て、次の自転車を作る際の貴重な経験となるわけです。

組み付けのポイント-1:マッドガード

 現在はマッドガードを装備したツーリング車はすっかり少数派となってしまいましたが、雨中走行時の下からの水はねや泥はねが嫌いな私にとっては、マッドガードは必須条件です。

  1. マッドガードの幅と高さ

     マッドガードの幅と高さはタイヤの太さや走るフィールドに左右されますが、私の感覚では700×23C〜25Cで幅40mm程度、高さ(クリアランス)は18mm前後が適当に思います。実際のクリアランスは諸説ありますが、舗装路主体であれば、真横から見た時に向こう側が見えてしまうのは空き過ぎのように思います。またタイヤに沿ってクリアランスが一定になるように組み付けたいものです。
     

  2. ガードの長さ

     ガードの長さについては、特にフロントガードが難しいです。前端はキャリアから先の部分の長さ、後端は地面からの高さがポイントです。後端をあまり長くすると、荒れた林道などでは岩にぶつけたりすることもあります。
     私の場合は、前端はキャリア先端から70mm前後を標準としています。もちろんヘッドランプをガードに取り付ける際は更に長くなります。後端はやや高めで、150mm〜200mmとする場合が多いですが、お手製のマッドフラップを装着して80mm〜120mmとなります。
     市販のガードはフロントガードが意外に短めのものがありますので、その場合は2ペア買って、リヤ用を切って、希望の長さにすることもあります。
     

  3. リヤガード分割加工

     私の保有するガード付き自転車は、すべて輪行用にリヤガードを分割加工しています。ガードの外側に分割金具が見えるのは好みでないので、自分で切断して、スポーツサイクルアルプス(残念な事に2007年1月に閉店)で購入した分割金具を裏側に固定することで、表側は固定用ボルトのみ見えるようにしています。この自転車はサイドプルブレーキなので、ブレーキ本体の真下を切断面として、外観もよりスッキリみえるようにしています。またガード両端の耳(折り返し部分)にはスポークを差し込んで接着して、分割したガードをちょうど鉄道模型のレールのように接続することで、強度を上げており、未だトラブルは一切ありません。
     

  4. ガードステーの角度

     ガードステーの角度は、さまざまな考え方や個人的な好みがある部分です。ただし、少なくともフロントのガードステーが上向きの角度となるのは避けるべきでしょう。
     この自転車の場合は、フロントのガードステーの延長線上にクランク軸があるようにセッティングしてみました。リヤはチェーンステーの延長線より下がると違和感を感じます。
     いずれにしても、ガードの長さとステーの角度は、なるべく多くのツーリング車を見て、自分の感覚と乗り方、フィールドに合う寸法を見つけることになります。
     

  5. ダウンチューブとガードの間隔

     右上の画像で赤い矢印で示しているダウンチューブとガードの間隔は、フレームの設計、フォーククラウンやヘッド小物の厚みなどが影響しますが、リヤガードとシートチューブの間隔と合わせて、ビルダーと相談してみましょう。私見では、リヤ側よりフロント側の間隔を気持ち大きめにするといいように感じます。(同じ間隔にすると目の錯覚でフロントが詰まって見えるようです)
     私の自転車の場合はフロント側がやや空いているので、今から考えれば本当はあと5mmほど詰めたかったところですが、オーダー時はそこまで考慮しませんでした。

組み付けのポイント-2:キャリア

 キャリアの長さと幅は搭載するバッグの寸法にもよりますが、経験深いショップやビルダーであれば、お任せしてもよいでしょう。基本的にキャリアはフレームと一緒にオーダーしたほうがぴったりしたものが出来上がります。
 上面は水平に、ステー(足)はダウンチューブと平行に、背もたれはヘッドチューブと平行になるようにして、 色々な角度が混在しないようにする事がスッキリ見せるポイントだと思います。また上面とガードが大きく離れないようにして、ガードとキャリアを固定する時に、あまり厚いワッシャーやスリーブを使わないで済むようにしたいものです。もっともフレームとキャリアを一緒にオーダーすれば、そのあたりはビルダー側で考慮してくれるほずです。
 パイプ径は車種にもよりますが、私の場合は7mmを標準としています。ただしこの自転車の場合は軽快感を出すために6mmにしています。

 なお私の場合は、キャンピング車やツーリズムをオーダーしたり使用した経験がないので、サイドキャリアやパニア台については、残念ながら語るべきものはありません。
 

組み付けのポイント-3:各種アウターケーブルの長さや色

  1. 長さ

     長さについては、必要以上に長くしない事が綺麗に見えるコツだと考えていますが、ハンドルを曲げたり、ブレーキレバーを握った時に突っ張るようでは短すぎます。私の自転車はエルゴパワーを装備していますが、左右の変速アウターが同じような長さになるよう気を付けています。
     ただし画像を見ていただければわかるように、ちょっと短めなので、ダウンチューブと平行になっている部分をもう少し取りたいところです。
     



  2.  色については、フレームカラーとのバランスを考えた配色を考えましょう。この自転車の場合はフレームと同じブルー系統にしていますが、フレームより濃いブルーにしてメリハリをつけているつもりです。
     フレームが赤系統の場合は、思い切ってイエローなどのアウターにすると、意外に合います。
     どちらにしても、無難にグレーや黒のアウターとする前に、フレームカラーとの組み合わせを色々考えてみるのも楽しい作業だと思います。

     細かい事ですが、最近のバーテープの固定用テープはブランド名などが印刷されているものも多いですが、左右の表示をこのように綺麗に揃えるほうが見映えがいいと思います。
     

組み付けのポイント-4:フレームと各パーツの色彩的なバランス

  昔と違って、最近のパーツはあらかじめ着色してあるものも多くなりました。あまり多くの色を入れると、一台の自転車として見た時になんとなくごちゃついているように見えてしまいます。もっとも、最近のレーサーやMTBなどはフレームカラー自体が非常に凝っているものも多いので、配色を考えるのは難しいですね。
 この自転車の場合は、ブルーとブラックの組み合わせを基本にしています。エルゴパワーがブラックのレバーパッドなので、バーテープはフレームカラーよりやや濃いめのブルーとし、サドルもそれに合わせて、配色が前後逆のブルーとブラックの2色のものを選択しています。エアポンプとリフレクターはアクセントとしてブラックのものとし、チェーンリングはアウターとミドルをTAのブルーアルマイトにしてあります。

 細かいところでは、サイクルコンピュータや前後クィックレバーもブルーメタリックのものとしていますし、リヤディレイラーのプーリーとスプロケットのロックリングもTISOのブルーメタリックのものに交換しています。

 もちろんサドルなどは身体に合うものから選択しなければなりませんが、こういった配色をあれこれ考えながらパーツを選択するのは、私にとって自転車を作る時の楽しみの一つとなっています。
 ちなみにツーリングに出掛ける時に装備するバッグも、この自転車の場合はブルーかブラックのものにします。
 

組み付けのポイント-5:ハンドルやサドルの固定位置

  ハンドルステムの高さと突き出し、サドルの高さ(固定位置)は、私自身いまだに最適解が見つかっていないのが現実です。フレームの寸法・角度やクランク長さと合わせて、自分に合った適切なポジションが取れている事が大前提ですが、その中で自分にとって美しいと感ずるシルエットにまとめるのは本当に難しいです。
 現状では、フレームサイズ(C-T)580mmで、サドル高はトップチューブ上辺から145mm〜155mm、ステムの突き出しは100mm±10mm、高さはヘッド小物上端から60mm前後としています。サドルとハンドルの相対位置はこれでほぼ合っているのですが、 サドルトップが薄めでシートレールも見えている事もあって、シートピラーは気持ち多めに出ているようにも見え、フレームサイズをあと10mm伸ばしてもいいかなとも思います。 もっとも、 サドルの厚み、シートピラーのサドル固定部の形状、使用するシューズやペダルの踏み面との厚みなど、さまざまな要素が影響するので、あまりシビアに考えず適時組み合わせればよいかなとも思います。
 ただしステムが限界線ぎりぎりまで上がっているのはあまり見た目がよいとは思いません。


最後に・・・・

 以上、組み付けのポイントについて、私の独断的偏見と経験による考えを書いてみました。機能や性能に直接関係する事しない事を含めて、色々と 好き勝手な事を書いていますので、異論・疑問等、多々あるかと思います。
 それでも、パーツ構成を含めて、実用的で使いやすく、かつ自分にとってまとまりのある自転車を作りたいという気持ちは、このページを最後までお読みいただいた方もお持ちでしょうし、そのために少しでも参考になる点があれば幸いです。
 
 さて、最近はインターネットの普及により、ネットで調べたり掲示板で質問することで、無駄な時間や費用、労力なしで容易に情報が手に入る便利な世の中になりました。私もその恩恵に大いにあずかっています。
 しかしながら、無駄と思われる時間や労力が、生きた経験になる場合も多いです。 自転車はオーナー自身の手でカスタマイズ出来る部分も多いので、ぜひ色々と手を加えてみる事をお勧め致します。

 

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